検索 2022-07-09 20:46:55 |
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ん?……、…………
(前は好奇心のままに入ることの出来た地下へと続く階段も今は薄気味悪くて躊躇してしまう、しかし相手から優しく声をかけられればその恐怖心も和らいで階段を降りていった。たどり着いた先にある壁画をみせれば相手の目はあっという間にキラキラと輝き出して食い入るように壁に描かれたものを見始めた。先程までの頼りになる雰囲気とは全く違う好奇心のままに動く子供っぽい姿に最初は驚いて目を瞬かせていたが、相手はこういう未知のものが好きなんだろうかと新たな一面を知れて少し嬉しくもあった。こちらも壁画を見上げる、いつかのパトロールの延長で見つけた祠と壁画だったが何度見てもこの壁画で描かれているのは昨日みた鬼だ。相手が言っていた鬼をもう一度封印する切り札の手がかりがここにあるのだろうかと見上げていると、壁画の中に違和感があるのに気がつく。前にみたのと少し違うようなと首を捻っていたところで背後に足音が聞こえて自然と後ろを振り返った。そこには昨日みた鬼がゆっくりと音もなく近づいてきていて息を飲む、かつて相手がみたイ.マ.ジ,ン.に似たその怪物は二本の小さな角を携えていた。脳内には昨日の風景がフラッシュバックして恐怖で体が固まってしまう。このままではまた人が襲われる、しかも今度はせっかく仲良くなった未来の相棒だ。相手はまだ壁画に夢中だが後ろに隠れていた関係でこちらの方が鬼に近い、鬼もこちらに狙いを定めているようだ。それならばまず最初に鬼が攻撃するのは自分でその隙に相手は逃げられるかもしれない。恐怖と相手を守らなければという思いが入り交じり声をあげることも体を動かすこともできない。せめて邪魔にならないようにと繋いでいた手を離すと、同時に鬼が持っていた金棒がこちらへと振り下ろされようとして固く目を瞑って)
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