検索 2022-07-09 20:46:55 |
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やっと、着いた…。…! ああ、凄く綺麗だ…桜の中に居るみたいだね。
(相手の言う特別な場所の為に階段を登り始めるが目的地はかなり高い場所にあるようで登っても登っても無限に階段が現れているような気分だ。半分ほど進んだところで体力と気力がばててしまって助けを求めるように手を差し出すとその手はがっしりと握られて引っ張られるような形で階段を登っていく。励ますような言葉と繋がった手のぬくもりがあればもう少しだけ頑張れそうな気がした。その手を握り返しながらゆっくりとなったペースで上がっていけば漸く終わりが見えてきた。最後の一段を登りきると疲れと達成感の入り混じった声で呟きを零す。この長い階段を登る物好きは他には居ないのか辺りに人影はなく広場のような所で数本の桜が風に揺れている。だが相手の言う特別はここではないようで手を引かれて先に進む。辿り着いた展望台のような場所からは先程花見をしていた公園を見下ろせるようで一面に桜色が広がっている。白っぽい物から紅が強いものまで品種の違いはあれど初めて見る光景に目を奪われて声も出ないで見つめていた。相手が得意げに尋ねてくれば期待した以上の光景に頷き、素直な感想を伝える。この場所にも桜の木があって時折桜の花びらが降ってくると上下ともに味わえる春の景色に「確かに特別な場所だ」と無邪気に笑って)
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