検索 2022-07-09 20:46:55 |
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……、…うん。…っ…翔太郎、…君と過ごすようになって僕がこれまでどんな所業に加担してきたのかその罪をやっと理解した。だから君の影が今起きているメモリ犯罪が全部僕のせいと言ったこともいつまでも組織側の人間だと言ったことも否定出来なかった。あの日からずっと君にそう思われていたと思ったら、ずっと怖くて…
(重々しい空気に耐え切れずいつも依頼終わりにしている雑談でもしようかと話しかける。だがその声や態度も自分で分かるくらい不自然で相手の生返事を最後に再び沈黙の空間に戻ってしまった。気まずい空間に何とかしなくてはと焦りばかりが募っていく。俯いたまま手元の黒いコーヒーばかりを見つめていたが相手に名前を呼ばれると恐る恐るといったように顔を上げる。その目はこちらを真っすぐと見ていてその真剣さが伝わってくる。話が鏡像に言われたことに及べば無意識に肩を強張らせて身構えてしまうが今度は目を背けなかった。相手が影が言ったことが全くの嘘ではないと話せばわかっていたことにもかかわらずじくりと胸が痛む。表情に翳りが浮かびながら小さく相槌を打っていると力強い言葉が続いて思わず目を見張った。それはあの時突き付けられた本音の言葉を無かった事にするわけではなく、そんな気持ちを抱えても尚今の自分の事を見て認めてくれて相棒で居たいと願ってくれているものだ。相手の想いが伝わってくるような言葉に必死に固めて耐えてきた物がゆっくりと溶けていき震えかけた声で名前を呼ぶ。それからゆっくりと息を吐くとぽつりぽつりとあの時感じたことを吐露していく。出会いの過程を恨まれても仕方ないと思う一方で決して無かったことに出来ない罪で唯一無二の相手に恨まれているかもしれないと思えばずっと苦しかった。テーブルの下で強く自分の手を握りしめながら語っていくが良い所で話を区切って一呼吸挟むと「だけど君が今の自分を受け入れてくれるなら、僕も君の相棒でありたい」とはっきりとした口調で告げて)
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