検索 2022-07-09 20:46:55 |
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……そう、か。お前も同じ事考えてて安心したぜ。そうだな一旦飯は置いといて____人も多いし、はぐれないようにしとくか。
(まさか相棒が初めて会う情報屋とこんな展開になるとは思わなかったが、引き合わせという点では大成功だ。その一点に関しては。代わりに今後会うたび何を聞かれるかは想像に難くない。ため息が出そうになるが、その前に相棒から笑みと感謝の言葉がやってきて、明確に心臓が跳ねた。口にはしていないが、さっきの発言は花火のジンクス込みのものだ。それが分からないくらい相棒は馬鹿ではないだろう。だが相棒はそれも含めて嬉しいと言ってくれた、いやでも期待が膨らむ。相棒に好きの意味もそんな関係を持つことの意味も伝えたつもりだ、それでもなお『結ばれて』いいと言うのなら……心臓が激しく脈打って頭の中でうるさく響いていた。日が落ちて露店の明かりで照らされた相手の顔が妙に輝いて見えるなか、次の目的地が決まる。腹にものが入ってコンディションはいい。相手に賛同していると、互いの手の甲同士があたる。最初それがたまたま当たったのかどうか分からなかったが、相棒が一瞬目線を向けたのを見ると、自らの意志を持ってそこを当てているのを理解する。うるさかった心音がさらにうるさくなった。日は落ちて人混みのなかだが、触れ合っている手にばかり意識が向く。そして、一度触れ合ったここが離れてほしくないと強く願う自分がいた。今日はずっと調子がおかしい、気取った自分でいられない。しかし今はそれでもいいように思えた。この会場の中、今こちらを見つめているのは大切な相棒だけなのだから。触れ合った手が離れないよう滑らせながら位置を変えると、その手を強く握る。結局言い訳を添えながらになってしまったが、離したくないその手をしっかり握りながら会場の中心地に向かい歩きだして)
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