検索 2022-07-09 20:46:55 |
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っ、……ってぼくの相棒が言ってるから今日の所は譲ってくれないかい? 花火まで見てこその約束だからね。
(相棒や所長に対してはある程度自分が思うままの言葉を発しても大丈夫という信頼があるからこそ深く考えないが彼女は初めての他人の知り合い。どう断れば後腐れなく終われるかと改めて悩み、相棒に助けを求めた訳だがその前に腕を引かれた。元々隣に並んでいたからさほど距離は無かったがさらに近く相手の手の届く範囲に入ることになった。思わず相棒の顔に目線を移せば出てくるのは自分を独占するような言葉。それがあまりにも年下である彼女達に張り合うような言い方をするものだから呆気にとられていた表情がみるみる笑みに変わっていくのが自分でも分かる。先程彼女が言っていた言い伝えを思い出した。なんの根拠も統計学的証明もされていない言ってしまえばただの噂。だけどそれを聞いて尚自分と花火が見たいと言ってくれた、自分を選んでくれた。その事実が胸を暖かく満たして早まる心臓がそれを全身に広めていく。それと同時に耳の端まで赤くしながらも腕を離そうとしない相棒が愛おしいとも感じた。暫しその様子を見てから彼女達の方向に向き直れば改めて自分からも穏やかな笑みと共にお断りの言葉を告げた。彼女達と仲良くなるのはまた今度でも良いはずだ。今日は相棒の方を優先したい。そう伝えるとエリザベスは二人の顔をそれぞれ見た後「そんな顔されたら諦めるしかないじゃん」と何処か楽しげな笑みとともに引いてくれた。そんな顔とは何を指すのか分からなかったがひとまずちゃんと断れた様だ。「私たち他のとこ回るから、フィリップ君翔ちゃんの事宜しくね」と去っていく彼女達を手を振りながら見送れば目線は再び相棒の方に戻して)
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