検索 2022-07-09 20:46:55 |
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___ん、いっつ…………え?な、な、な、な、なんだこれ?!?!、ん………?
(混濁した意識のまま眠りに落ちて腕の中に暖かい体を抱きしめたままだったおかげで眠りは深く深くなっていき、そのまま朝を迎えた。あんなに酩酊しても朝の定刻になれば体は起きるもので、窓の外から聞こえる鳥の声で意識がゆっくりと覚醒する。まず最初に襲ってきたのは頭痛、初めて経験する2日酔いというものに目を閉じたまま眉をしかめた。次に全身の痛み、妙に体が凝り固まっていて伸びをしようとするもなにかに抱きついているようでそれは叶わない。いよいよ状況が掴めなくて重たい瞼を開ける。そして最初に目に飛び込んできたのは相棒の顔だった。間近に迫る顔、そこでようやく相手を抱きしめていることに気がついて思わず声が漏れる。咄嗟のとき状況確認のため四方に視線を巡らせるのは探偵として身につけたスキルのひとつだが、それを駆使して分かったことは、相棒を抱きしめながら事務所の床で寝ていたということだけで、現象は認知できても理解は全く追いつかない。なぜここで寝ているのか、しかも相棒と一緒に寝ているのか。口をワナワナ震えさせながら一気にパニックに陥ると慌てて相手を抱きしめていた腕を引っ込め床に尻もちをついたまま後退する。一体何がどうなってこの状況になったのか全く分からずにいると、デスクの上に置きっぱなしになったウィスキーグラスが目に入った。最初こそ半分ほど液体を入れていたそこには溶けてしまった元氷しか残っていない。それを視界にいれると、一気に昨晩の記憶が蘇ってくる。断片的ではあるが相棒に言った言葉、行為、最後の告白、それらすべてが蘇ると脳は処理が追いつかなくなり、その場に固まってしまって)
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