検索 2022-07-09 20:46:55 |
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わっ、少しだけだ、待っ…ッ。しょ、うたろう?……、まさか寝たのかい?
(ほんの少しだけでも冷静になりたいと空けた距離は強引に抱き寄せられまたゼロに戻った。何とか説得を試みようと声を上げるがもう一度キスが落とされた所でふとこちらに寄りかかる体重がより一層重たくなった。身に覚えのある感覚。慌てた所で耳元で囁かれた言葉だけはやけにハッキリと聞こえてまたどくんと強く心臓が脈打った。しかしその言葉の意味を深く考える暇は今は無かった。力が抜けて全体重を掛けてくる相棒の身体を普段屋内でしか過ごすことの無い身が支えきれる訳もなく共に床に倒れ込んでしまう。鈍い音共に走る痛みに思わず声を上げるがそれよりも突然意識を失ったであろう相棒の方が心配で上に乗る形になった彼に目を向ける。瞼を閉じた相棒と静かな空間に穏やかな寝息。ただ眠っているだけだと分かればこの状況で信じられないと思うと同時に問題なかった事に安堵の息を吐く。ひとまずこのままでは潰されてしまうと何とか身体を横にして相棒の身体を上からどかせてみるが出来たのはそれくらいで最後にぎゅっと抱きしめられた腕は未だ離してくれず脱出は困難だった。助けを呼ぼうにもガジェットは近くにないし、そもそもこの姿は人には見せたくない。行為が止まったのは良いがその分された行為と言われた言葉を振り返ってしまい未だドキドキと鼓動はうるさい。分かりやすく見せられた所有欲と好意。ここまで心乱されるのは初めてで少しだけ怖いと思ってしまうこの感情。だが嫌という訳ではなくて、相棒にならばそれでも良いとさえ思えてくる。濁流のように色々な感情や考えが頭の中に湧いてパンクしそうだが、当の相棒が此方を抱きしめたまますやすやと安らかに眠っている姿を見れば途端愛おしさにどうでも良くなってしまって今日の所は思考を投げ出すことにした。目が覚めて正気に戻った相棒はどんな反応をするのだろうか。きっと面白い反応をするだろうしその時にこの困惑の仕返しをしてやろうと心に誓えばそのまま相手を見つめる。そう言えば昨日から夜通し検索をしていたから眠れなかったと思い出せば包まれた温かさも相まって床の上であるにも関わらず直ぐに眠気が襲ってきた。ゆらゆらと穏やかな熱と大好きな相棒の匂いに包まれながら「しょうたろう、おやすみ」とだけ小さく呟けば腕の中で眠りにつき)
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