検索 2022-07-09 20:46:55 |
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やっぱりきみは笑っていた方が似合う。…、まるで悪魔の契約のようだね。 きみが傍にいてくれるなら、ぼくの全ては翔太郎にあげよう。 …その代わりきみもぼくの物にしていいかい?
(ふにゃりと笑った顔を見ればじわじわと満たされる物がある。表情豊かでコロコロと変わるのも相棒の魅力ではあるが、やはり彼には可能な限り笑っていて欲しいと思う。今の相棒はいつもと違うというか妙に素直な気がする。いつもはカッコつけや大人、忘れ形見といった二人を区別する一線があって側にいても立ち入らせてくれない領域があった。あの琥珀色の液体のせいか相棒の本音を聞くことが出来ているのは単純に嬉しい。だからこそ、次に呟かれた言葉は予想外の物で呆気にとられてしまう。順番に指でなぞられるのはそれこそ顔のパーツの全てで擽ったさと共に触れられた場所が熱を帯びていく錯覚がする。身勝手な所有欲。だけどいつもは他の人を優先する相棒が自分にはワガママな欲をぶつけてくれるのは悪くない気分だ。寧ろ喜ばしいとも思ってしまった。初めて会った時に持ちかけた物よりも深く結びついてしまう契約だと呟きながらも相手を見つめる。あの施設にいた自分は死んでいるようなものだった。そこから助け出してくれて名前をつけてくれて一人の人間として命をくれたのは彼の師匠と相棒だ。ならばこの命は相棒のものと言っても過言ではないだろう。緩く笑ってこの身を相手に捧げると告げる。だけど自分も相棒のことを独り占めしたいという無自覚だった欲が心の底から芽を出してしまった。自分の知らない外で相棒が誰かのものになるのは嫌だ。あのガラクタを貰うくらい街の人に愛されているとしてもその1番は自分が良い。自覚してしまえばじわじわと心を蝕んでいき、相棒を閉じ込めるようにもう片方の手も腰に回せば恐る恐るこちらからも問い掛けて)
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