検索 2022-07-09 20:46:55 |
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フィリップ……お前もそう思ってくれてるなら嬉しい。でも、俺は……それだけじゃ足りない。俺はお前が欲しい。この耳も、髪も、頬も、目も、鼻も、口も……俺に、くれるか?
(何度も背中を叩かれてまるであやされているようだが、それが心底心地よいのだからどうしょうもない。ふわふわと宙に浮いているような思考の中、相手と目が合う。相手の口から自分の名前が出るとじわりと胸が暖かくなって、確かに傍にいることが分かる。そしてきっと、これからもそばに居る。相手の言葉を受け止め思わずふにゃりと緩く笑った。同じ君持ちで嬉しいのと共に心底安心したからだろう。だがそこで終わらないほど厄介な感情を自分が抱え込んでいるのは分かっていた。傍に居てもいいと、その願いが叶えられた今、次にはより深い欲望が湧き上がった。当然それを抑える理性など今の思考回路にはない。弱々しく懇願する目が欲望に負けて渇望する目に変わる。今触れている相手の腰、頬。だがそれだけじゃ物足りない。すべてを自分の腕の中に閉じ込めておきたい。一度口にしてしまった欲望はさらに歯止めが効かなくなって、言葉に出したのと同じ順に耳、髪、頬と順に指をすべらせていく。そして最後に唇の湾曲に沿って親指の腹を滑らせると、最後だけはまた懇願するように相手へと問いかけて)
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