「…そんな…邪魔、など。滅相もない…」 (ひがんは慌てたように面が取れるのではないかと思えるほど首を横に振り、陣の方を向いて深々と頭を下げる。厨から戻ってきたもみじはそんなひがんの様子を笑いながら眺めていたが、「では、さっそくですみませんが陣様、庭のおそうじをてつだってくださいませ。ひろいゆえ、ひとりではなにかと…」急にすっくと立ち上がり、立てかけてあった箒を手に取ると陣には雑巾を手渡して)