…あ、あ。 (鞍馬は頷き、嫁の手をその腕で握り返すとそのまま歩き始める。秋の冷たい風が二人と、まるで二人を先導するかのように歩いてゆくもみじ達の間をすり抜け、やがて一行の姿は見えなくなり、その場には美しい紅葉と秋景色だけがいつまでも風にそよいでいた) …う、ん。ひがん、の…飯、は、美味い、な。 (社に戻り、奥座敷で鞍馬は嫁と二人、ひがんの作った夕餉を食べつつ頷いて誉め言葉を口にして)