…そう、か。なら、ば…陣。私の、ことは、鞍馬、と。呼んでは、くれないか? (その言葉にゆっくりと、何度も安堵したように頷くと顔を覆う薄布を静かに下ろし、腕を引き込めて薄く微笑んだ。再び腕を嫁の頬に伸ばし、慈しむ様に、愛し気に何度も触れてはその後瞳を伏せ、これまで以上にたどたどしい言葉で、嫁の名を呼ぶと薄布越しでも判る程顔を赤く染めながら照れ臭そうに続け、嫁を見つめて)