鞍馬 2022-06-19 21:20:34 |
通報 |
…貴方様の腕で、先刻…私に触れてくださいましたね。――…もう随分と久方ぶりだったんです。あんな風に優しく、誰かに触れられたのは。だから……その。嬉し…かったんです。
(差し出された腕に視線を落とす。先ほどのものとは異なるどこか色を持ったその腕にそっと触れると、筋に沿ってゆっくりと擦る。次いで自らを落ち着けるように小さく息をつくと、再び神をまっすぐに見据えぽつりぽつりと語りかけ始めた。触れられた頬に先程の掌の感触が蘇り、どこか恥じらうように視線を逸らすも、再びしっかりと神を見据えるとおもむろに自らの腕を伸ばし、先程の涙の跡を拭うように、薄布の隙間に手を差し入れるとするりと指の腹で頬をなぞる)
鞍馬之神様――私はもう、貴方様に恐れなど…感じてはおりません。
トピック検索 |