鞍馬 2022-06-19 21:20:34 |
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――…っ。鞍馬之神様と、お見受け致します。貴方様に捧げられるはずであった我が妹に代わり、身を捧げに参りました。古よりの掟にて定められた若き娘の肉ではございませんが、どうか、この身で…ご容赦を頂きたく――
(突然に頭上から聞こえて来た低い声に一瞬びくりと肩を揺らし目を見開くも、矢絣の麻着物と明らかに人のものとは異なる足許が目に映ると、暴れ出す心臓を落ち着けるように掌を固く握りしめ、深々と頭を下げる。嫁、という言葉をかけられたことを何とか思い出すと元来贄のはずであった妹の事がふと脳内を横切り、自らが身代わりになった事に対し謝罪の言葉を述べ始め)
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