名無しさん 2022-06-02 22:52:14 |
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>莉緒
【キャスター・蘆屋道満】
ンン。そう念を押されずともよろしい。何分この法師、誠実一辺倒こそ取り柄でありますゆえ。
( 溜息を揶揄うように短い笑い声を零す。晴明が嫌われている様を見るのは、とても愉快なものだ。あれを讃えこそすれ、斯様に毛嫌いする者など妖の類を除いてはそういなかっただけに新鮮である。言い触らすつもりなどないのは本心だが、まあ信じてもらえなくともそれはそれでいい。それにしても、悪いくらいがいいとは言うが。己の目に映る彼女に悪は、あまり似合いそうにない。少なくとも、使い魔に過ぎない己と対等に接しているようなうちはだが。礼には笑みを用て返し、彼女の願いを聞けば、眉を八の字に下げてあたかも悲痛に身を焦がすかのような面持ちを。悲哀に震える声であからさまな同情を寄せるが、全くの張りぼてである。親が子を捨てる、それはあの時代にも何度も見てきた。金銭、縺れ、あるいはただ単に鬱陶しいだけか。その行為には様々な事情があるだろう。しかし、己はそれを憐れみ慈悲をかけるような性ではなく。本題は定型文のような同情ではなく、両親と再会してなにを成したいのかということだ。復讐を望むのか或いは和解か、深淵の闇が如し瞳を細めれば、小首を傾げて問う。ただ、まあ。敢えて言うならば。彼女を捨てた親はどうであれ莫迦で先見の明がない。少なくとも、才ある賢き淑女に成長する芽を手放したのだから。その意味では、哀れと言えようか。 )
ほう、実のご両親に……。それはそれは、お辛い出来事でしたでしょう。ンンン。ご心中、察するにあまりありまする。しかし聖杯に願わず、己が手で叶えて見せようとは、なんと気丈なことか。──して、相見えたその時は、復讐をお望みで?
>セイバー
【斎賀 未玖】
家族は遠方。恋人は……。ふっふーん、気になる?残念ながらいないんだなこれが。私みたいな魔術師にも一般人にもなれない半端者は、青い春とは無縁なんでーす。
( 意外と俗っぽい話題も振ってくるんだな、堅苦しくない気質はこちらとしても非常に楽である。恋人の有無を気にされたことをニヤリと茶化しつつ、あっけらかんとして答えて。好きな人もいたが、それは自分が普通であると思えていた小学生の頃までの話だ。深い関係に至るような付き合いにはならないよう線引きをしている。それは異端なりの礼節だ。どうやら彼はヘラクレスのことがとても大好きらしい、我が事のように自慢するのだから、己が想像している何倍も強いのだろう。ほうほうと頷きながら、だがそんなヘラクレスを率いた彼自身もすごいと思うのは内心で。移動に賛成してもらえたので、書庫の扉を開ければ手招きをして廊下へ出る。魔術師の祖母が住んでいたとはいえ、構造や外観自体はその辺の家屋と変わりのない至って平凡な一戸建てだ。特筆する点はそれなりの広さの洋風庭園を持つことと、結界だろう。祖母は魔術師が住んでいることを一般人からも魔術師からも見破られないように、認識に影響を与える結界を掛けていた。それは術者が亡くなった今でも敷地全体を覆っている。さて、夕暮れの西陽に照らされた廊下を歩けば間もなく居間につくだろう。内装もシンプルで、ソファにテーブル、その他家具など現代の一般家庭とそう変わりない。持ってきた指南書をテーブルに置けば、キッチンの方へと向かい。 )
適当に座ってて。飲み物って言ってもお茶ぐらいしかないけど持ってくるから。
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