名無しさん 2022-06-02 22:52:14 |
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>莉緒
【キャスター・蘆屋道満】
────はい?道満?…………それはそれは。ンンン、安倍晴明ではなく蘆屋道満が目標とは、とても良い志しをお持ちで。そのように饒舌に語られては、忘却など勿体のうございまする。他言無用は心得ておりますゆえ、莉緒殿の熱き想いは拙僧の胸の内に封じておきましょう。
( 熱意を込めて語られるその中に出てきた名。確かに道満と発した彼女に、珍しく呆気に取られる。虚をつかれたとはこのことだろう。半ば呆然としながら彼女の語りを聞き終えれば、文献を手渡し。くるりと向けられた背に、揶揄でも軽薄でもない純粋に楽しげな笑みを浮かべながら、冗句めかして愉快げな声音で忘れることを拒否し。かつての時代、晴明の名が既に知れ渡っていながらも、僅かであろうと己を重用し、慕ってくれた存在も確かに居たことを今更ながらに思い出す。晴明ではなく道満を映すあの彼女の眼差しが、とうに無意味と捨てたはずの郷愁を仄かに生じさせた。認めたくはないものだが。己はそのような下らない情などとは無縁のはずとかぶりを振れば、彼女から許可を得たので袖口から守護札を四枚取り出す。それを部屋の四隅に飛ばすことで呪力の媒介をさせて結界の補強を行い。張られた結界の仕組みは解いたので、ところどころ空いている穴を埋めて頑強さを底上げするものだ。他に呪術を扱うサーヴァントが召喚されていたとしても、キャスターでなければ簡単には突破できないだろう。そのキャスター枠も己で埋めているので、絶対確実ではないが不意打ちや盗聴の心配はあまりしなくともよいはずだ。この程度ならば、元々の結界の完成度も決して悪くはなかったので一仕事のうちにも入らない。一連の工程を分も掛けずに終えれば、改めて彼女に声を掛け。先程までは、彼女の願いなど利用できる手の一つにしか考えていなかったが、多少なりとも助力してやってもいいと方向性は前向きになっている。それが何時まで続くかは一切不明であるが。何にせよ、聞いてからの話になるだろうと、彼女の発言を促して。 )
これで卑しくも盗み聞きを企むような輩の思惑、他の魔術師やサーヴァントの侵入はある程度防げましょう。しかし、何事もイレギュラーなるものは付き物ですので、ご油断召されぬよう。……では、お聞かせ願いたく。
>セイバー
【斎賀 未玖】
いやぁ…魔術師って自称するのも恥ずかしいぐらいの才能ナシなんだけど、足止めはガンドぐらいかなぁ。いやいや、身内殺しなんてしないよ!?一人暮らしだし、こっちに家族いないし!!
( 師である祖母から、思想も能力も魔術師にはこれ以上なく向いていないと不名誉な太鼓判を押された己だ、相手の動作を一時的に崩す程度のガンドは使えるとはいえ、魔術師相手にどこまで通じたものか。身内殺しという物騒なワードには、顔色を真っ青にしてブンブンと首を振り。そんなことするぐらいなら自ら体を張るが、そもそも両親はこちらにはいない。彼らは魔力を持たないから、魔術師であった祖母とは交流を持ちたがらなかった。祖母の元へ行った己のことも両親はあまり快くは思っていないのが、祖母が亡くなってからも帰らずにこちらで一人暮らしを続けている理由である。焦った声音の彼に対して、こちらもしどろもどろなフォローで返答を。もっと神話系統に詳しければマシな反応もできたと思うと申し訳なくなる気持ちもあるが、日本ではギリシャ神話に限らずそういった事柄を学ぶ機会はあまりない。だが、ヘラクレスという多少なりとも知っている名が出てくれば、そちらも詳細を把握しているわけではないものの彼の成し遂げた試練のさわりを思い出して褒める。彼は船長と言った、であればかのヘラクレスをも率いたリーダーというわけで。これから己と行動を共にする彼について無知のままでいるのも失礼であると思い至れば、彼の逸話を頭に叩き込もうという目的も脳内リストに追加して。ついでに、埃っぽいここで立ち話を続けるのもなんだからと居間への移動を提案する。 )
に、日本だと、神話学の講義とか取ってない限り名前ぐらいしかわからない人が多いかも…。けれど他の国なら絶対有名だと思う!あ、でもヘラクレスは知ってる!すっごく強いんだよね!折角の縁だし、イアソンさんの冒険譚について調べてみるね。それと、この書庫で話続けるのもなんだし居間に行かない?
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