名無しさん 2022-06-02 22:52:14 |
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>莉緒
【キャスター・蘆屋道満】
願いがないのではなく、望むべきではないときましたか。
( 術を用いるわけでもなく、確りと己より小さく細いその手を握ってただ握手を交わせば、先程まではこちらを見ようとしなかったというのに、真っ向から向けられる視線と言葉に対して、興味深げな声音で復唱し。願いが無いと言うのならば、無欲か偽りかと判じてさして関心を惹かれることもなかったであろうが、望むべきモノではないとは少々予想外で。何やら訳ありと見るが、混みいった事情を暴き、内に秘める弱点を探し当てる行為こそ己の好むところ。するりと蛇が抜け出るように自然に彼女の手を離せば、代わりに一歩距離を詰め。僅かに屈めば、口元まで己の袖を持ち上げ、まるで内緒話の如く声を潜める。聖杯を敢えて呪物と表現すれば、声色には乗せず、されど瞳にはちかちかと好奇の色を宿しながら、誑かすように囁き。 )
それはそれは──巨万の富でも権力でも、善悪問わず願望を実現させるあの呪物に望むべきではない願いとは、如何なるもので?拙僧とてサーヴァントなれば、莉緒殿の願望成就のお役にも立てるやもしれません。
>セイバー
【斎賀 未玖】
うんうん、聖杯は知ってるよ。なんでも願いを叶えてくれる万能の聖遺物だって。つまり……その聖杯を巡って争うのが、ここに書かれている聖杯戦争ってことかな?
( この短時間での百面相、ある意味器用で忙しない人だなという感想は押し留め、尊大な口振りで説明をしてくれる彼の言葉を聞く。ほとんどは耳慣れない単語ばかりだったが、聖杯というものは流石に知っているので正直に答えて。曰く、聖杯とは願望機である。その聖杯をいつか手に入れたいのだと、生前に祖母がよく語っていた。そして、点と点が繋がるようにピンときた事柄がひとつ。戦争というからには、聖杯獲得のために争うのだろう。情報を整理するため、本を持ち上げて表紙を彼に見せながら、『聖杯戦争参加指南書』と書かれている部分の聖杯戦争だけを人差し指でなぞり確認を。そこまで理解できれば、感覚的にだが全貌は掴めてくる。サーヴァントは使い魔のようなもの、そのサーヴァントとマスターで挑む戦いが聖杯戦争。そこまで把握すればさして動揺もなく。すぐにいつもの調子に戻り、能天気な笑顔で彼に一先ずの挨拶を。プライドが高そうなので握り返してはくれないかもしれないが、一応左手を差し出し。 )
私がマスターで、貴方はサーヴァントで、このタトゥーが令呪ね。なんとなく理解した、ありがとう。じゃあ私とセイバーさんはペアなわけだ。私は斎賀未玖、よろしくね!
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