名もなき創生者 2022-06-02 20:47:38 |
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> レン・ブライト ALL
「……実はそれがだな、うむ…まぁ…その、来た。それで三つ巴の闘いをした。シャンディアという先住民のゲリラと、青海からオーゴン目当てにやって来た海賊と、我らエネル様麾下の4神官と多数の神兵でな。」
話を聞いたレンの(海賊が来る)という言葉に何かしら思い出したモノがあるらしくまたもや下唇と上唇を噛み締めて白目に剥いて…
ゲダツ「――ぐぅううううう、あぁ!過去は認めねばなるまい!たとえ其れが不本意な敗北であったとしても!へそ!負けは負けだ。」
と一人で悶える様にそんな事を口走って
ゲダツ「全ての元凶はあの海賊たぬき…たぬき、忌々しいたぬき!」
と何やら独り言めいた声のトーンが段々低く小さくなっていき…切り替える様に話題を変える。
ゲダツ「…うむ、色々あるぞ。(音)を取り込む習性を持つ音貝(トーンダイアル)、(炎)を取り込む習性を持つ炎貝(フレイムダイアル)、(光)を取り込む習性を持つ灯貝(ランプダイアル)、(匂い)を取り込む習性を持つ匂貝(フレイバーダイアル)、(映像)を取り込む習性を持つ映像貝(ビジョンダイアル)、(水※液体)を取り込む習性を持つ水貝(ウォーターダイアル)、他にも(熱)や(衝撃)を取り込むモノ等まだまだ多種多様だ。それらをそのまま使ったり加工して道具にして使っている。へそ!」
スプリングフィールド「…そんな便利な貝殻があるのですね。―まるで家電製品みたい…当然武器としても使えそうですわね?」
ゲダツ「うむ、(空の戦い)に於いて戦士たちはこれらを武器に仕込んだりして様々な用途で使用する。」
と言った様子で蜘蛛頭の大男は彼の出身である(空島)の特産品であるダイアル(貝)の説明をする。
―――
―
スプリングフィールド「そういう類の兵器を大量に配備し大国と大国が互いに突き付け合う事で一時の均衡と平和を齎す(抑止力)となり――実際の使用は悪手である…というのが私の居た世界では世間一般的な認識でしたわ。大戦が終わって結果的に取り返しがつかなくなるほど使われた後でも……――異名が“破戒”とはまぁ…そういう方もいらっしゃるのですね。あまり宜しくない話でしたら御無理なさらず。」
余り関わり合いになりたくない類の人物の話だったらしく、やや気分の悪そうな様子の相手(レン)に無理に話さなくていいと気遣い。
ゲダツ「無論、一日では無い、週間単位で覚悟している、へそ!」
スプリングフィールド「住み始めると余計に思い入れが強くなる不思議な街ですわ…あらあら、ミストレスならぬマスターを御希望ですか?――うふふ、そうですね。そこそこ入り組んでますし一度いらしてるならレンさんの案内が有った方が良さそうですね?」
ゲダツ「なんだお前たち、まるでおれが子供か何かの様に…だが、構わん。頼むぞレンよ、へそ!」
と、ゲダツは引率を買ってでた彼女(レン)と換金所へ、スプリングフィールドは待合室にて待機する形になる。
――
と、受け付けには先客が一人居るらしく、何やら揉めている。
キーバー「10キャップで1リッチェ?――おいおい確かにこれは見た通りのボトルキャップだが、俺がいた土地じゃ立派な補助通貨だったんだぞ?…なら加えてこの38口径弾で…何?銃弾は通貨代わりに出来ない?―全く、こちらの常識は通用しない様だな。」
自分たちの前で受け付けにて遣り合っているややくぐもった声のトレンチコートに大きなベルゲンバックを背負って…そして特徴的なバイザー付きヘルメット姿の兵士の様な格好の男(キーバー)
彼はふと背後の二人の気配に気付き
キーバー「待たせて悪いな、アンちゃんに御嬢ちゃん…もう少しばかし待っててくれよ。」
と一言伝えてくる。
> 2B ALL
ゲダツ「最初から歳が決まってるとなると確かにそんな当たり前の感覚は分からんだろうな。――ま、おれも物心つく頃には修行者だったからそれほど分からんが」
話を聞いていた蜘蛛頭は過去を思い出す様に軽く目を瞑りながらそんな感想を述べ、キッチンの方からは調理を始める器具の触れ合う小気味いい金属音と共に春田の声が返ってくる。
スプリングフィールド「そうですか、――此方でも余りにも幼い…人の赤ん坊や極端な幼児を模した自律人形(A-Doll)は少なくとも私は見た事が無いですね。そもそも使役する用途が無いからでしょうけど…」
――
―
ゲダツ「となると、2Bよ。お前に起こして貰う様に頼めば確実に寝過ごしや惰眠とは無縁に成れそうだな。しかしそういう意味では便利な身よ。絡繰の身体というのは…」
寝坊云々以前に人間を詳しく知らないアンドロイドから見ても奇行だらけの蜘蛛頭の巨漢なので機械化した処で変わらない様な感じでもあるが…
―キッチンの方からは付け合せの野菜でも切っているらしき一定の間隔を守ったトントンという音が聞こえてくる。
ジャリジャリの説け残り砂糖水と化したコーヒーを飲み干し、やや冷めたマフィンを一口で口に放り込み咀嚼しながらゲダツは椅子に座りつつ窓から見える夜空を眺めて
ゲダツ「やはり全く別の土地と言うのは間違い無いな。在るべき星の位置に星が無い…」
と興味深げに呟く。
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