名もなき創生者 2022-06-02 20:47:38 |
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> 2B ALL
スプリングフィールド「なるほど、独立した作戦行動を取っている可能性もあるという訳ですのね――“機械生命体”ですか、私たちの方でも主な“敵”は人類由来の存在ですが―AIの暴走により人に反旗を翻した人形軍事勢力“鉄血”があります。…まぁ本当に人類にとっても人形にとっても…そもそも世界環境的な意味での直接的な脅威は『E.L.I.D』という存在ですわ。――アレは本当に手の打ち様が無い。」
ゲダツ「――中々小難しい話をしているな、2Bに春田よ。―とりあえず珈琲を飲まないか?」
スプリングフィールド「ふふふっ…確かに立ち話も何ですわね。改めましてようこそカフェ(Collins)へ、直ぐに御飲み物を御用意しますからさぁさ、御好きな席へどうぞ。」
2Bから話を聞くにつれて、どうやら彼女の属するヨルハ部隊というアンドロイドの軍事組織の指揮系統は一見シンプルに見えてかなり複雑な様だとスプリングフィールドこと春田は思う。個体個体で別の秘匿任務を請け負う場合があるというのも…少なくとも部隊内に(暗部)めいたモノ、自分たち(グリフィン&クルーガー)に於ける非公式部隊である“404小隊(Task Force 404 Not Found)”の様に公式にせよ非公式にせよそういうモノが存在しているのでは無いかと推測しつつ…
彼女(2B)の口にしていた“機械生命体”という戦争を繰り広げている敵対勢力の事を耳にして、連想するのは己自身が所属しているPMSCs(グリフィン&クルーガー)が鎮圧を政府から委託されている嘗ての大手人形軍需企業である(鉄血工廠)の生産設備や兵器群ごと人類に反旗を翻した大規模な人形集団(鉄血)…しかし、あくまで一地域の反人類勢力に過ぎない“鉄血”よりも第三次世界大戦後に人類にとって一番の脅威と化している存在…『E.L.I.D』が頭をちらつく。
『E.L.I.D』の侵食と汚染への対処で国家の正規軍はその兵力の大半を投入し国内の大戦後の混乱も相俟って治安維持まで手が回っていないが故に(グリフィン&クルーガー)を始めとするPMSCs(民間軍事請負企業)による治安維持業務や信託統治の外部請負が世界的に台頭している有様なのだ。
と、内容的に人形(アンドロイド)同士のそんなちょっとした其々の世界の情報交換に夢中になっている間にそんな二人の隣で腕を組み(例の如くちゃんと組めていない)、待っている蜘蛛頭の大男(ゲダツ)からの急かす様な一言に我に返った春田は早速店内へと二人の客人を案内する。
ちりんちりんと控え目ながらドアの鈴が鳴り――外観と同じく落ち着いた雰囲気の洋風な店内の様子が目の前に広がる。―今の処お客は居ない様だ。
スプリングフィールド「カウンター席とテーブル席、御好きな方を御選び下さいな、…遠隔端末に近いモノもありますけど、あの子(ダミー人形)達も私と基本的には同じですわ。」
ゲダツ「む、おれはどちらでも構わんが…2B、お前はどちらにする?」
> レン・ブライト ALL
ゲダツ「別に謝られる事でもあるまい。気にするな―そうか、そういう感じなのだな。おれも精々(空島)を除けばそれほど広範囲を見聞した訳では無い故……こちらもゴローが言うには島によって随分と様相や言語が異なるとか」
相手(レン)からのそんな謝罪を、大したことでは無いから気にするなと言いつつ、自分自身元居た世界を広く見聞きした訳では無いと返して、自身が世話になっている人物(ゴロー)から聞いた世間話で大体知った事だと蜘蛛頭の大男は答える。
ゲダツ「む?そうか?、何にせよ大きい方が良いに決まっている―そうだな、食材と料理人への感謝は欠かしてはならん…」
実質的に全くと言って良いほど女ッ気というものに縁の無い立場だった(有る意味神官故当然だろうが)故に、乙女心の類に対する理解は皆無に近い。――その結果デリカシーもまた残念なモノと化している。
と
スプリングフィールド「…あの、そこの御二方、宜しければ相席よろしいですか?」
と声を掛けてくる女性が一人――カジュアルだが派手過ぎない控え目な白と青を基調とした服装をした明るい茶髪に翠眼のうら若い女性と言った様相の彼女(スプリングフィールド)、テーブルはフードファイター宜しくゲダツが平らげた料理の皿で埋まりつつあるが、まだまだスペースはあるだろう。彼女(スプリングフィールド)もまた熱々のパスタを載せたトレーを手にしている。
ゲダツ「?(心※?…妙な“心綱”の聴こえ方をするな、この娘)、何者かは知らんがおれは別にいいぞ。レン、お前も別に構わんだろ?」
と蜘蛛頭は答えつつ、先客の相手(レン)に一応尋ねる。
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