名もなき創生者 2022-06-02 20:47:38 |
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> 2B ALL
ゲダツ「ほう、その9Sと言うのはお前の部下…というより弟分みたいなモノか。」
華奢で何処かしら儚げな容姿や雰囲気とは裏腹に腕っ節(物理)と何より荒事が得意な戦闘員と言った様子の彼女(2B)とは対照的な調査や所謂(頭を使う)役割の同胞が居るという事だと蜘蛛頭の巨漢はイメージを浮かべる。
そして少し和やかな表情を浮かべた相手(2B)を見るに、その9Sという“あんどろいど”とはそれなりに懇意にしている仲なのだなと察する。
それこそ差し詰め友人や姉弟の様に…
なんだ、人並みに親しくしている友人や家族の様な同胞がいるのであれば、絡繰仕掛けと言えども人とそれほど変わらぬでは無いかと単純思考な蜘蛛頭にしては察しがいいのか悪いのか何れにせよそんな風に考えていた。
ゲダツ「美味を追い求める事に関して人間は貪欲なのだ。―凝っていけば行き着く集大成というモノがあるのだろう。別にそれは(人間だから)という訳でもないと思うぞ?」
と
ゲダツ「はっ…うっかり!――誰かは知らんが貴様も普通の人間では無い様だな?」
スプリングフィールド「あらあら…御判りになります?一目で私をA-Doll(自律人形)と見抜かれたのはあなた方が(この世界)では初めてですよ?――申し遅れました、私はI.O.P社製A-Doll(自律人形)、現PMSCs(Private Military and Security Companies※民間軍事請負企業)G&K(グリフィン&クルーガー)社所有T-Doll(戦術人形)、スプリングフィールドと申します。長ければ“春田”でも宜しいですよ?」
と恭しく蜘蛛頭(ゲダツ)と似た様な存在の彼女(2B)に深々と一礼して挨拶と自己紹介をしつつ…この蕎麦屋には通い慣れているのか、顔なじみらしき店員にニシン蕎麦を注文しつつ二人と同じテーブルに座り…
ゲダツ「…おれはグランドライン(偉大なる航路)は(うっかり湯)の番頭をしている青海番頭ゲダツ…類は友を呼ぶという事かも知れんな、2B」
蜘蛛頭も一応礼節に倣い取り敢えず自己紹介をする。
> レン・ブライト ALL
ゲダツ「うむ、問題無い…どうかしたか?」
相手(レン)が言い回しというか、聞き慣れない奇妙な単語(へそ)に首を傾げている事など露知らず、何か気になる事でもあったのかと蜘蛛頭は尋ねるが…
ゲダツ「お前の言う(観の目)と同じモノかはおれも知らんが、険しき苦行と修練の果てに全能なるゴッド・エネルより受け賜りし物よ――聞こえずとも万物は声を発しているのだ。へそ!」
と何だか怪しげな部分もある様な説明をしながら、例のよく分からない単語で説明を締める。
ゲダツ「ほう、つまりお前も他所(よそ)からこの土地に何時の間にか来ていた手合いなのだな?おれも同じだ。む?学び人か――うむ、宜しく頼むぞレンよ。それとおれは確かに(番頭)ではあるが、本来は(番長)なのだ。」
装いに違わぬ淑女な礼節を以って挨拶する彼女(レン)と対照的にシンプルに一礼して返す蜘蛛頭(ゲダツ)、文化的とも言えるが単純に其々の性質(たち)の違いとも言えるだろう。
ゲダツ「…む、そういえばお前も昼飯だったのだな。好きに座ると良い。おれは久方振りの飲み食いでな。実に数週間振りだ。」
…さらっとアレな事を最後に言いながら、蜘蛛頭の大男は再び食事の続きに戻る。…よくよくみると
積み上げられている空の皿の数を見れば相当食らっているらしい。
――遭難した船乗りが急に食事を取って命を落とした例があるが…
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