Petunia 〆

Petunia 〆

匿名さん  2022-05-28 14:28:01 
通報


募集板でお声がけくださった方をお待ちしております。



コメントを投稿する

  • No.717 by ギデオン・ノース  2024-01-14 00:12:18 




……ッ、

(相手が嫌とは言わなかったこの時点で、ギデオンは既に、今宵の自重の腹積もりなど、すっかり彼方に追いやっていた。胸の内にあるのはただ、その気になってくれた恋人を、くたくたになるまで愛でて……その後ふたりでたっぷり眠り、翌朝目を覚ました彼女に、真っ赤な顔でぽこすかと怒られる、そんな慢心に満ちた妄想だけ。しかしその程度の浅はかもの、たちどころに吹き飛ばされて当然だろう。……この半年間、彼女をじっくり開花させてきたのは、他でもないギデオン自身であるからだ。
初めはそうと気づかずに、いつものように優位を巡って戯れていたはずだ。己の犬耳に仕返しをされ、思わずぞくりと身を震わせれば……まだ手ぬるいな、と虚勢を張るべく、今度はこちらが、“この手じゃあな”なんて、意地悪を返してみせて。けれどこの時には既に、張本人にその自覚があったかどうかは知らないが、彼女の術中に落ちていた。──なら、自分で、ちゃんとやるから。貴方はぜったい、手出ししないで……?
背面にあるナイトランプが、ギデオンの顔を照らしていたなら。その白々しいほど涼し気だった顔に、さっと後悔の色が差し……彼女を傍観しはじめてすぐ、こめかみに汗を浮かせたかと思えば、酷く苦しげに歪みだしたのが、いとも鮮やかに見てとれたことだろう。己の恋人が、うら若く美しい天上の女が、すぐにも覆い被される距離で……綺麗な眉尻を悩まし気に下げ、しっとりとした吐息を零し、己のためにくつろげている。だというのに、ギデオン自身は一切手出しがならないというのだ。この据え膳の御預けは、実に笑えるほど効果覿面だった。最初こそプライドの欠片で、固く口を引き結び、じっと黙り込むだけだったものの。ほどなくして堪えかねたように、「……なあ、ヴィヴィアン、」「ビビ……、」と、落ち着きなく、弱々しく、掠れた声で懇願しだす。前言を無様に翻すことになると重々承知していたが、相手がまだ初心者で、どうしても時間がかかるだけに、もうとんでもなく生殺しで、とても見ていられなくなったのだ。──しかし彼女は、許しさなかった。自分だって恥ずかしい癖に……そんな真っ赤な顔をして、自分の立てる物音にたまらなそうに身を捩るくせに。第一、今してみせていることは、ようやく羽化したばかりの女にとって、まだ随分とハードルが高い代物の筈だ。にもかかわらず、ギデオンが少しでも身を乗り出せば、潤んだエメラルドでさっと射すくめて、「待て、」と。はっはと息を乱しながら、それでも強い意志を込めて、「でも見てて、」なんて言うのだ。
いつもならこんな制約、無駄に良く回る頭と口で、どうにか反故にしてみせただろう(……たぶん、きっと、おそらくは)。しかし今のギデオンには、それは絶対できなかった。このくそったれの犬化魔法のせいなのか……“待て”というコマンドが、まるで呪文のように強力に働き、体が勝手に従ってしまうのだ。かといって、散々に煽り立てられる情欲はまったくそのままでおかれるのだから、相反する本能同士に、頭がぐちゃぐちゃになりそうだった。「っは……、」と荒い息を零す、物欲しげに薄く開いた口の奥、まるで砂漠でさ迷っているかのように、喉がからからに乾いて辛く。引き攣った呼吸を繰り返せば、それを見かねられたのか、あるいはたまたまのタイミングか、ようやく少しだけ近づくことを許されて、お望みのまま腕を貸すも。それでも肝心の触れ方はさせて貰えず、また下がるよう命じられ。──一度期してしまった分、それをあっさり打ち捨てられたものだから、強烈な切なさと、煮え滾るような苛立たしさが、血潮となって痛いほどに充ち充ちる。だがまだだ……まだ、主人の許しが下りていない。苛々と頭を振り、もう一度頼み込もうと顔を上げるも、それは無駄と知っているが故に、唸りながら取りやめるその横顔は、いっそ滑稽で。手元のシーツを手繰り寄せようとした手は、もっと手応えのある者を求め、ヘッドボードを八つ当たり気味に鷲掴みにする。相手が腰を浮かせるたび、ぎり、ぎりり、と、鈍い音。ギデオンもヴィヴィアンも、どちらも汗だくなくらい夢中であるため気づかないが、たまりかねた鋭い爪が、深い傷痕を刻みつけているのだ。それでも御命令通り、燃えるような眼をその媚態から逸らさない忠実ぶりを示していれば。……終わった彼女が身を起こし、もはや一切取り繕えないギデオンを確かめて、満足気な微笑みを浮かべる。そこでようやく、本当にようやくのことでお許しを出された瞬間、地獄の底から救われたような顔をして。もはや言葉も出ないのか、大きく動いて相手に身を寄せ、頭を摺り寄せるその様は、“……俺が悪かった、”と、代わりに雄弁に物語るだろう。そのまま相手を引き倒し、頸筋に顔を埋めながらも、片手は器用に、抜かりなく、いつもヘッドボードの引き出しに仕舞っているものを取り出す──これだけは、若い時分から自分に叩き込んでいる理性だ。そうして、何度も何度も鼻梁を摺り寄せ、悪かった、お前が欲しい、と再三相手に伝え直してから。ようやく相手に沈み込んで、本懐を遂げるだろう。)

(──しかし結論から言って、やはり今夜のギデオンは間違っていた。健康面の危険を冒した、という意味ではない……今回のこれは、中毒性が強すぎるというか。一度これを知ってしまったら、もう知らなかったころに戻れないような体験だったのだ。
たしか昔、エマだかヘルカだか、その辺りの女に猥談として仕掛けたような気もするが──生物にはそれぞれ、特徴というものがある。とあるシーサーペントは丸一日近く続ける一方で、ヤギのそれは一瞬で終わる。スフィンクスの雄は雌の首を噛んでおくが、これはそうやって大人しくさせておかねば、痛みのあまり襲われるからだ。そして、犬やワーウルフ、フェンリルといった食肉目にもまた、面白い特徴があった。とはいえそれは、傍目から見る分にはというだけのこと。……まさか人の身で当事者になるとは、夢にも思わない。
頭のどこかでは、理性が肝を冷やしていた。明らかにいつもと違う──何か引っかかって全く引き抜けないのも怖いが、こんなに長く続くのもおかしい。まさかそういった部分まで、あの悪戯なピクシーどもに作り変えられたんじゃあるまいな。……けれどもただでさえ、まっただなかにいる男というのは、世界でいちばん知能が下だ。本当に本当に、地の底を抜けるほど下だ。故に今のギデオンは、うっすらと懸念を感じはしながらも。相手を散々旺盛に求めた末、最後の心地良さにぼうっと身を委ねる誘惑に、全く、ちっとも、これっぽっちも、全然、さっぱり、抗えなかった。とはいえ、うつぶせになた相手をこのまま潰し続けてはいけない、という気遣いは働くらしく。背面から相手を抱きかかえ、体を横に寝かせて、蹴散らしていた毛布の山をかけ直すと。以前相手に流し込みつづけるまま、己の毛皮ですっぽり包み、濡れた首筋に唇を寄せ。酷くぼんやりした声音をもって、相手に尋ねることだろう。)

…………ぐあいは……、



[PR]リアルタイムでチャットするなら老舗で安心チャットのチャベリ!
ニックネーム: 又は匿名を選択:

トリップ:

※任意 半角英数8-16文字 下げ
利用規約 掲示板マナー
※トリップに特定の文字列を入力することで、自分だけのIDが表示されます
※必ず利用規約を熟読し、同意した上でご投稿ください
※顔文字など、全角の漢字・ひらがな・カタカナ含まない文章は投稿できません。
※メールアドレスや電話番号などの個人情報や、メル友の募集、出会い目的の投稿はご遠慮ください

[お勧め]初心者さん向けトピック  [ヒント]友達の作り方  [募集]セイチャットを広めよう

他のトピックを探す:1対1のなりきりチャット







トピック検索


【 トピックの作成はこちらから 】

カテゴリ


トピック名


ニックネーム

(ニックネームはリストから選択もできます: )

トピック本文

トリップ:

※任意 半角英数8-16文字

※トリップに特定の文字列を入力することで、自分だけのIDが表示されます
※メールアドレスや電話番号などの個人情報や、メル友の募集、出会い目的の投稿はご遠慮ください
利用規約   掲示板マナー





管理人室


キーワードでトピックを探す
初心者 / 小学生 / 中学生 / 高校生 / 部活 / 音楽 / 恋愛 / 小説 / しりとり / 旧セイチャット・旧セイクラブ

「これらのキーワードで検索した結果に、自分が新しく作ったトピックを表示したい」というご要望がありましたら、管理人まで、自分のトピック名と表示させたいキーワード名をご連絡ください。

最近見たトピック