匿名さん 2022-05-28 14:28:01 |
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ギデオンさん!! ご無事でs──……?
( 依頼に戻ったヴィヴィアンに、その一方が届いたのは、依頼から戻った彼女が、ギルドのシャワー室から上がってすぐのことだった。午前中丸ごとラタトスクの捕縛に、キングストンを駆け回り。やっと東広場まで追い詰めたかと思えば、往生際の悪い悪戯者が、噴水のオブジェのその上によじ登ろうとするものだから、最後はずぶ濡れでの捕物劇から戻って四半時。──あ、ビビはもう聞いた? ギデオンのこと、仕事中に大変な目にあったって、今ロビーにいるわよ。そんな巧妙に笑いを噛み殺した、魔法使いの真剣な表情に騙されて、医務室ではなくロビーにいる時点で大事でないことは分かるだろうに。愛しいギデオンの一大事に、いちもにもなく飛び出せば、背後から響いた吹き出すような音には気づかなかった。
そうして、息を切らしながらギルドロビーに駆け込めば、黒く大きな三角の耳と、ふさふさの尻尾を不機嫌に揺らす恋人の姿に、ビビの大きな目が益々大きく丸く見開かれる。よく見ると爪も少し鋭くなったような……って──えっ、依頼中に大怪我したっ……とは、言って、なかったか、そっか。と、次第に己の早とちりにじわじわと気が付きながら、そのあまりに予想外な光景に瞬きをして。それでもその瞳に、面白がるそれよりも心配の光が優るのは、その真面目な性格ゆえだろう。心配すればいいやら、無事を喜べばいいやら、人間、一瞬で感情が180度近く振れるとフリーズするもので。色々な感情で渋滞を起こしたビビの後頭部で、未だしっとりと乾ききらぬ巻き毛がくりんっ、と間抜けに揺れる。とりあえずは急を要さなそうな雰囲気にほっと息をつきながら、体調に影響は無いのかだとか、いつ戻るのかだとか、諸々気になる質問をしようと。それと同時に適当にまとめた髪を結び直すべく、しゅるりと解きながらおずおずと近づいて。 )
……お疲れ様です、それは、一体何が……?
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