匿名さん 2022-05-28 14:28:01 |
通報 |
ギデオンさん……?
え……ええ。でも、お顔の色が。こっちおいで……座れます? 横になった方が楽ですか……?
( 討伐した魔獣を確かめてみて、もしあと討伐が一歩遅れていたら、とんでもない被害が出ていただとか。運良く無事だっただけで、予期せぬ脅威を残していただとか。後からゾッとするような真実が判明することはよくあることだ。しかし、戻ってきた相手のあまりの顔色の悪さに、薄い頬をそっと両手で包むと。心做しか力なく丸まった背中を撫でながら、もう片方の手で先程の倒木へと導こうとして、促された相手が素直に腰掛けるか固辞するか、兎に角ギデオンの体調が悪くないことを見届ければ。そろそろビビ達も回収作業に加わらなければなら頃合だった。未だ胃の痛そうな表情をしている相棒を、気遣わしげな表情で見送り、自身もヒーラーとして、今回はベテランの先輩方の下、テキパキと要救護者の手当に当たること半日。あわや首都襲撃という未曾有の危機の収束に、心地よく揺れる馬車の中。疲れきった娘が丸い頭をギデオンの肩に預けて、うつらうつらと船を漕ぎながらキングストンへと辿り着き。ギルドでの簡単な手続きを終えて、暖かなランプがポーチを照らす我が家へと帰りつけたのは、そろそろ日付も変わる深夜の事だった。いつもならば共に帰って来ても、すぐにただいまのキスを強請るところを、かろうじて未だ冒険者の顔を残して相手へと真っ直ぐに向直れば。人目のあるところでは話せ無いだなんて、相当の危険が差し迫っていたのだろうと気を引き締めにかかって、日中のベテラン勢の気まずそうな表情の意味など全く知らずに、むしろ清々しい程真剣な表情で尋ねて見せて。 )
──改めてお疲れ様でした!
さっき、後で話すって仰ってた件って、もう……ここなら大丈夫ですか?
トピック検索 |