匿名さん 2022-05-28 14:28:01 |
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ひゃっ……!
( 思わず回し掛けられた腕に、すり、と頬を微かに寄せようとして、なすすべもなく逞しい腕の中に抱き込まれてしまえば。これがせめていつも通りならば、旋毛に触れる感触と、己の発言の意味深さに気づいて、真っ赤になって暴れ出しただろうに。未だ寝惚けた娘は、ただ与えられた温もりに、えへへぇ、と嬉しそうに抱き締め返してくる始末。逞しい腕が緩んで、やっと見えた大好きな顔にも、とろんと蕩けきった笑顔を向けるそんな体たらくの癖をして。──可愛いなあ、と。朝ごはんの前から夕飯の話をしている恋人への愛しさに、くすくすと口元を抑えて、その薄い頬へと手を伸ばせば、 )
きょうは……昨日の残りのお肉をマリネにしようかと思ってたんですけど、赤ワインがあるのでローストビーフにしてもいいですし……
ガーリックもそろそろ使い切っちゃいたいので、ステーキでも……ただステーキにはちょっと心許ないので、折角ソース作るならオムレツも作りましょうか──……あ、ギデオンさん。卵っていくつ残ってました……?
( と、そこまで。段々と冴えてくる思考と同時に口を働かせたところで、はっと大きく目を見開けば。「朝ごはん! できたから呼んでくれたんですよね?」ギデオンがビビの料理を褒めてくれるように、ビビもまたギデオンのシンプルな素材の一番美味しいタイミングを逃さない料理が大好きなのだ。──冷めちゃったら勿体ない! と、相手の腕の中から跳ね上がろうとして、その腕から解放されれば。慌てて階段を下ろうとしてから一瞬引き返し、ギデオンと共に朝を告げてくれたカラドリウスへ、瑞々しい苺を咥えさせ。元気よく広がった巻き毛を揺らしながら、いつも通りの満面の笑みでギデオンの元へと飛んでくるだろう。 )
毎朝ありがとうございます! ギデオンさんの朝ごはん大好き──……あ、もちろんギデオンさんのことも大好きです!
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