匿名さん 2022-05-28 14:28:01 |
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ギデオンさんに頼まれましたからね!
( 今でこそ繊細さの欠片もない脳筋ヒーラーだが、元は魔導学院で研究を続けるか迷って冒険者になるのが遅れたほどの秀才である。滅多にお目にかかることの出来ない古代魔法を、合法的に習得して良いとなれば、文字通り寝食を忘れて没頭する姿は、どのジャンルにおいても水を得たオタクの目の色は似たようなものだと感じさせるもので。なんの色気も無い触れ合いに嬉しそうに笑い声をたてると、固く大きな手に形の良い頭を擦り付け、ふんす、と鼻息の聞こえそうな装いで胸を張り、一目で相手のことが好きでたまらないと伝わるような、熱く蕩けた視線を惜しげも無くギデオンに向ける。その感情が未だ、それこそ犬が飼い主に懐くようなそれに近く、近い将来、相手の子供を褒めるような仕草に満足どころか、焦燥感を感じるようになることは己もまだ知らず。グランポートの陽気に頬を上気させ「わあっ、ありがとうございます」と、汗をかいた果実水の瓶を両手で受け取れば、白く細い喉を晒して美味しそうに飲み干して。ギデオンのたてた計画では、まだグランポートのメディア達を説き伏せる大仕事が残っているが、相手なら問題なく成し遂げるだろう。そう確信に近い信頼をもって、ありがたく相手の労いに頷けば、夕刻ギデオンに直接揺り起こされることになるほど、深く気持ちの良い束の間の眠りに落ちていった。
──そうして迎えた夕刻、既に予想していたことだが、波止場からの報告に密かに下唇を噛む。願わくば自分達の勘違いであればいい、確実に捉えるつもりとはいえ、今袋に詰められている彼らの恐怖と心の傷は無くならないし、いなくなった者たちは帰らない。微かな落胆に杖を力強く握り締め舟に乗り込む寸前、ハッと気づいたように暗視魔法担当の若い記者と背中をつつけば、振り返った青年の耳元に唇を寄せる。艶のある唇で何かしらをそっと囁けば、不可解そうに、とはいえ満更でもなさそうに己の耳をさする青年の背中を押しながら、順に舟にのりこんで。数時間後の船上、静かな水路と違って波に揺れる船上での魔法の調整は難解を極めたが、何とか身を隠し続けられていることに安堵の息を漏らしながらも、本当に現れた島影に目を奪われていれば、かけられた大好きな声にそちらを振り返る。相手の声から確かな信頼を感じとれば、誇らしい気持ちになって晴れ晴れとした頼もしい笑みをにっこりと浮かべ── )
──絶対イ・ヤです!
もし予定通りに来なかったら、私上陸するので絶対帰ってきてください!
( 吹き荒ぶ風に舞う髪を抑えながら、元々豊かな胸を張り、ギデオンの発言を予想していたかのように、キッパリと相手の保険を切り捨てる。口ではそう言いながらも、いざとなればビビは冒険者として相手よりも記者たちを優先せざるを得ないし、迷わずそうするつもりでいる。相手もそう信頼してくれていることを知っているからこそ、これは万が一のお守りだ。連中と対峙したギデオンが、もし危機に陥り一瞬でもヴィヴィアンの冒険者としての覚悟を疑うほどに冷静さを失った時は、"私のために"逃げて来てという傲慢で、周りからの愛を疑わない彼女らしい発言で。この短い付き合いでギデオンがそういうことを言う男だと知っていたから、この発言で記者たちを不安にさせないよう、先程記者には『私が何を言っても、皆さんのことは絶対に守るので安心してくださいね』と強かに耳打ちしてある。記者たちに背を向けてギデオンを降ろす一瞬、縁起でもないことを口にする相手に怒ったような表情を浮かべれば、 「待ってますから」と今度こそ作戦通りギデオンとの合流地点の方へ帆先の向きを変え。)
( / お返事にお時間頂いてしまい申し訳ございません。ロルについてそう仰っていただけて非常に安心しております!此方こそ背後様の小説の一節のような描写を毎回楽しみにしており、以前のものも何度も何度も読み返しております。
此方の提案に沿ってのシーン進行もありがとうございました。毎回場面転換をおまかせしてしまい申し訳ございません、今回は背後様になさりたいことがなければ、戦闘描写までで投げていただければ3,4に転換させていただきますので、ご負担のないように御相手していただければ幸いです。
まだまだやりたいことが沢山で、これからの関係の変化も非常に楽しみにしております。それでは引き続きよろしくお願い致します!/蹴可 )
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