匿名さん 2022-05-28 14:28:01 |
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……? ……ギデオンさん、可愛い
( あの時そうしてくれたから、現にこうして自分は生きているというのに、この行為に上手いも下手もあるのだろうか。ゆっくりと此方に向き直り、無防備に微笑む恋人を前にして、ただ分かるのは相手が愛おしくて堪らないということだけ。腰を摩る手に頬を赤くしてはにかめば正直、あの忌々しい貝殻から、この人の腕の中を取り戻せただけで随分と満足してしまったのだ。その証拠に、頼もしい胸板に空いた掌を添え──求められるがまま、許されるがまま、その下唇を吸い、夢中になって厚く熱い舌を食んでいれば、それが結局いつもと何ら変わらない触れ合いだと言うことなど微塵も気にならず。じわじわと上がる体温に瞳を閉じて、その体重を完全に相手に預けてしまおうとしたその時だった。古い機械が軋む音をたてながら、がくん、と揺れた足元に、一瞬何が起こったのか分からなかった。突如、胃の底がぶわりと熱くなったかと思うと、繋いだ手も、大きな手が滑る腰骨も、反対に此方から添えていた左手も、そして密に触れ合っていた唇も、相手と触れ合う全ての箇所が蕩ける程に気持ち良くて。パチパチとスパークする視界に、それまで精々湿った吐息を時折漏らすだけだったにも関わらず、まるで仔犬のような鼻にかかった声を漏らすと。切れて落ちた銀糸が胸元を濡らすのも気にせずに、ギデオンと顔を見合わせ。未だ先程の衝撃に呆然としたまま、こてん、と首を傾げる。そうして、酒に酔ったような表情で大好きなアイスブルーを見上げながら、ふにゃりと小さく微笑むと、強請るようにもう一度右手を握り直して。 )
……あ、は。気持ち良かった、ね……?
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