匿名さん 2022-05-28 14:28:01 |
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(何やらご機嫌な軽い足取りが近づいてくる気配。おや、というようにそちらを軽く振り向きかけたところで、己に心底嬉しそうに飛びついてきたのは、無論恋人のヴィヴィアンだ。背後からぎゅうぎゅうと抱きしめてくる懐っこさに思わず苦笑し、彼女の腕の中で向き直ると、「おまえもまだ起きてたのか」とその前髪を掻き分けてやり。そのまなざしがふと、完璧に調整されたスカーフへと自然に移れば、相手の目論見通り、その目尻に愛しげな皴を無自覚に浮かべるのだから、相手にとってはさぞや遣り甲斐のあることだろう。背後の柵に背を預け、その疑似耳を指先で軽く弄びながら、穏やかな声音で返答を。)
ギルマスに言われたいろいろ書類をやっつけたんだが、もう皆寝入りだす時間だろう。たまにはのんびり夜風に当たってみようかと出てきたんだ。──まさか、おまえに会えると思ってなかった。
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