匿名さん 2022-05-28 14:28:01 |
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……!ごめんなさい、気をつけます───でも、本当にギデオンさんなら、いいんです、けど……ね。
( 相手の忠告にきょとん、とできるほど疎い年齢でも既になく、寸前の自分の誤謬を産む発言に気付き一瞬固まったかと思うと、すぐに火がついたようにかあっと赤くなり。本当に全くそんなつもりがなかったからこそ、いくら其方方面の経験値が少ないとはいえ、自分の迂闊さに反省し素直に頭を下げ。先程のビビにそんな気がなかったのは相手もわかっているだろうに、アタックに迷惑そうにしつつも、こうして気まずくなってでも忠告してくれるギデオンの誠実さに内心、超大人!!好き……とますます惚れ直すばかり。そんな相手に今度こそ自分の言葉で気持ちを告げようとするも、人の言葉を借りた時とは違う気恥しさから俯いていき、どんどん早歩きになってギデオンを追い抜かさん速度となって。最後は「あっ!資料館!!見えてきましたね!!」と先程から見えていた屋根瓦に今更気づいた振りを。 )
……はーい。
( 決して相手の真剣な横顔と博識さに見とれていた訳では無い……それも少しあるかもしれないが、自分が気づいている可能性に、経験のあるギデオンが気づいていないはずがないという先入観が邪魔をしたのだ。その場で"その可能性"を口にすることは無いまま、相手からの提案に素直に頷き、足を展示に向けかけ──ふと、どうせ作るならもっと美しい手でも良かったのではないだろうかと、もう一度金の手を振り返る。立場上見慣れてはいるが、剣ダコのある太ましい手は芸術的に美しいとはあまり思えない。その上何か助けを求めるように歪んでいるようなと、その疑問に答えを出すことも出来ないまま、パタパタと相手の背中を追って扉を潜り。ギデオンが知識として覚えた違和感は、ビビもまた言語化こそできないものの体感していた。グランポートは豊かな水のマナや魔法に満ち溢れているが、多くの鉱山で栄えた土地でみられる、暖かい土のマナや魔法の気配はあまり感じられずにいる。だからこそ金の出処を、移動可能な生物ではないかと疑う発想があった訳だが、時系列に沿って見始めた歴史の序盤、グランポートが当初は罪人の流刑地でもあったという展示の前で、やっとその発想の破片をポロリと漏らして。 )
流刑地かあ……そしたらその中に錬金術師がいたのかな。いにしえの──金を産む魔物とかもロマンありますよね。
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