匿名さん 2022-05-28 14:28:01 |
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……場合によっちゃ、ギルド協会への通報までが俺たちの仕事だ。
(相手の思想のバーサーカーぶりにも、今回は同意せざるを得ない。この込み入った事件を四、五人ならまだしも、たったふたりで解かなければならないのだ。依頼者から名指しされた事情に加え、非公式の抜き打ち監査をトリアイナ側に勘づかれないため、という意図もあるのだろうが……。荷馬車の揺れが変わったのに気付き、今一度地図を見直しながら、今回の引き際の一案を予め伝えておく。万が一存在する組織犯罪というものは、それほどまでに厄介な敵であると知っていて。──御者に礼を告げ、少し生温かさを感じる潮風を頬に受けながら歩くこと数分。以前の記憶は朧気ながらも、そこが変わり果ててしまっているのは明らかだった。建物を見れば、そこを利用する人々の性格や思想が読める、とは他でもない師匠の教えだが、果たしてこれは……と真剣に考え込んでいた折。隣から上がった声にもの言いたげな目を向けようとして、はたと中空を見つめ静止する。夫婦漫才を演じるというのは、特に傲慢な相手の油断を誘うのに意外と有効な手段だ。後で本人にしこたま引っかかれる羽目になるものの、スヴェトラーナとも時々使ったことがある。あの成功率を思えば意外にありかもしれない、と一瞬本気で傾きかけたものの、そこで名目上であれ相手のことを「妻だ」と言わねばならないと思い出せば、もう一度相手に目を向けて。男ならほとんどだれもが振り返るであろう、しなやかで豊満なスタイルと、何よりこの、ようやく少女を脱したばかりの溌溂とした若さ。……だめだ、犯罪だ。犯罪にしかならない。)
……偽装手段としてはありだが、あと10年は必要だな。
(顔を逸らしてぼそりと呟けば、紋章をあんな様にする連中には普通の礼を尽くしたところで無意味だろう、とノックすることもなく木製の戸を押し開けて。途端にむわんと漂ったのは、数種類の強い酒気。ロビーは薄暗く、長椅子やテーブルの上にすら寝そべる手前の男たちがこちらを胡乱気に振り返り。賭博の跡が伺える大テーブルの奥の方では、まだ昼前にもかかわらず、娼婦の姿がちらほら見える。男たちと軽くじゃれ合う程度で”本番”は始まっていないようだが、それでもあまりの堕落ぶりに言葉を失していると、「なんだ、だれか追加を呼んだのか?」と、すぐ側にやってきた大男が相手をずんと見下ろして。)
(/死者の取り扱いについて把握しました、大丈夫です!こちらも社会的にダークな部分に折々触れると思いますが、苦手なもの、もう少し控えめな方が好みなものなどございましたらお気軽にご相談ください。
また物足りなさ、については全くご心配なさらず。この物語の世界観も、ギデオンとビビの関係も、双方ともに毎回大満足させていただいております。今回の踏み込みも全然ウェルカムですのでご安心ください……!恋に盲目的なのは、という以前挙げた要素ですが、こちらの心配は背後様と複数回やり取りした中で完全に払拭されておりすということもここにお伝えいたします。世界観なり人間関係の変化なり、複雑に重なり合う構造が好みというのを背後は拗らせておりまして……その辺りの相性がどうか見るために挙げてさせていただいた、という事情が恥ずかしながら……!シリアス要素を引き立てるためにも、ギデオンが好きで仕方がないビビというラブコメ要素も、主様の心のまま楽しく投入していただければと思います。
あとこれは個人的に。トリアイナの意匠に元ネタを取り入れてくださったこと、大変嬉しかったです。ありがとうございました……!
お気遣いいただいた中心苦しいですが、最後に少しだけ必要なお願いが。トリアイナのある街の名前、ギデオンとビビの所属するギルドの名前、そして今回の依頼者はどんな立場の人物か、の3点について、これから便宜上必要になってくると思うので、主様の中でお決まりでしたら是非ご共有ください……!)
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