匿名さん 2022-05-28 14:28:01 |
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((嘘だろ)というように片手で顔を覆う仕草を、隠す気にもなれなかった。瑞々しい全身を元気に跳ねさせ挨拶する若手のヒーラー娘、ヴィヴィアンと、一瞬彼女に見惚れ、次いでこちらに注目し、好奇と嫉妬に危うく色めき立つ周囲のむさくるしい野郎ども……という構図には、非常に嫌な既視感がある。まあ、きっと大丈夫、だろう。あれからだいぶ経っているし、相手があちこちで忙しく頑張っていた噂も小耳に挟んでいる。純粋な良き後輩としての方向へ成長しているに違いない、はずだ。そう願いながら歩いて行き、「しばらくぶりだな。まだだから、とりあえず一通り聞かせてくれ」と、周囲の視線に気づかぬふりを貫きながら相手の隣に陣取って。──ヴィヴィアンの説明によると、何でも今回は、先月訪れたシルクタウンの口利きによる依頼らしい。港町の失踪事件ということで、普通ならまず人為的な事件を疑い警察が対応すべきもの。ところが、田舎町の一部にはよくある話で、汚職にまみれた現地警察は日々怠慢の極み。現地ギルドまで彼らとの癒着が酷く、まともな捜査がまったくもって期待できない。とはいえ、外部の公的権力による介入を要請するのでは時間がかかり、次の犠牲者を出してしまう。そこで、“信頼できる”“よその町の”“民間のプロ”を探していた矢先、交易で縁のあるシルクタウンから、自分とヴィヴィアンの噂を聞き付けたとのことだった。なるほどな、とため息をつく──最近のスケジュールが妙に一気に片付いたわけだ。ギルマスも紹介状と依頼状に目を通しているはずで、これはつまり、よそのギルドの腐れっぷりを視察して来いという指令も含まれているのだろう。
きな臭い気配、そこに純真無垢な若手のヴィヴィアンを連れて行かねばならないことに頭が痛くなりそうだが、断る選択肢はもちろんない。現地にどのルートで向かうべきか、顎に手を当て考えて込んでいたところ、不意にかかった声にぴたと視線を中空にやってからそちら振り返る。そこには……非常にあざとい、としか男の目線では言いようのない有様の相手。おずおず尋ねる声に何も返せぬまま、大きな瞳や林檎色の頬、豊かな胸元で合わせられた手──決して胸を見たわけではない──に目をやり、真顔の状態で彫像よろしく凍り付くこと5秒ほど。やがてどこからか、クックックと笑いながら近づき、「嬢ちゃん、こいつぁなぁ、水着よりむしろすっぱd……」と口走ろうとした古馴染みの口を咄嗟に後ろ手に塞いだのは褒めてもらいたい。奴に雑な雷魔法を放って沈めると、やけに不器用な早口で返事と必要事項を告げながら、せっかくの再会にもかかわらず逃げるように抜け出してしまって。)
水着は好かん、海も行かん、3時間後に出発だ、東広場で。
(/諸々ご丁寧なお返事、ありがとうございました!
シルクタウン、シンプルながら響きも文化性もとても好みで素敵です……!実際、このくらいシンプルな方が覚えやすいですし、絹織物が特産品なのかなあ、蚕の使い魔が多かったりするのかなあ、などと想像して早速楽しみまくっております。本当にありがとうございました……!
主様ご提案の①②③④⑤の流れに、まったく異存ありません。強いて言えば付け加える程度の要望がありまして、⑤以降のどこかで、二回目のダブルベッドイベントがあっても美味しいかなと考えております。というのも、ギデオンがビビにデレるようになる前となった後とで、同じイベントのはずなのにまるきり違う展開を見せる、という対比モノも楽しそうだという煩悩が……!とはいえこれはだいぶ先のことですので、今はアイディアの共有程度のつもりでお出しさせていただきました。ひとまず①②に向かってロルを進めてまいりますね!)
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