匿名さん 2022-05-28 14:28:01 |
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(相手の健気な工夫は無事に功を奏し、その複雑な表情をギデオンが見ることはなかった。……が、付き合いの長さというのは妙なもので。無邪気に喜んでくれたことには間違いないだろうが、それでもどこか、いつもの相手とは微かに違って聞こえるような……今更ながらそういったことには気が付けるくらいには、この歳若い相棒の声音や言葉遣いなどに注意を払う気持ちがあるのだ。──彼女を見つめながら口を開きかけたものの、ふと横を向いたのは、しかし今は状況が悪いということを寸前で思い出したから。視線の先には、ようやく大人しくなってくれた(……というよりも、先ほどとは違う、信じられないものを見る目でギデオンをまじまじ眺める)ジャネット、そして温厚な雰囲気を崩さないエドワード。わざわざ手伝いに来ている彼らをこれ以上待たせるのは愚策だろう。「……また必要になったら言ってくれ。適当なのを狩ってくる」と、買い物でも行くかのような気軽い声を落としつつ、相棒の肩にごく軽く触れると。憲兵団のふたりにも些細な仕草を見せて話し合いの再開を示し、ギルドロビーにあるテーブルの一席を陣取ることにして。
それからは、今後の呪具探しや連絡方法、必要な許可の申請の段取りについて話し合ったのだが。──ギデオンの隣にいるエドワードが、向かいに座る相棒のほうに何かと仕草や言葉を向けるように思うのは気のせいだろうか。仕事モードに入ったギデオンはそれなりに真剣な顔に切り替えて話し合いをしているのだが、彼の様子が内心うっすらと落ち着かない。結局、手早く話を取りまとめてお開きに持っていたのは、そういった朧げな私情によるもので。さて、これでようやくヴィヴィアンとふたりで話ができる──とはいかず。「ギデオン、公認教会からお越しの爺さん連中がお呼びみたいですよ」とジュナイドに話しかけられ、ヴィヴィアンを誘おうと開きかけた口をしかめ面で閉ざす羽目になる。すぐには片付かない用事だろう、そして明日からはまた泊まりがけの魔獣討伐だ。ゆっくり話すタイミングはしばらく掴めなさそうだな、とため息をついて諦めると、椅子の背の上着を気だるげに手に取りつつ、向かいの相棒と目を合わせ。……あの日以来どことなく気がかりで、何かしらの繋がりを少しでも保っていたかった。)
……明日からはクシャロ湖の辺りに行く。あの辺りの素材で、何か欲しいものは?
(/たくさんの優しいお言葉痛み入ります、しかと噛み締めさせていただきます……!
いただいた相談事項について早速まとめてみました、如何でしょうか。
● 悪魔そのものの扱い(下地)
・概念:『Petunia』世界において、人間を犯罪にいざなう存在。
・過去:強力なものは、過去の祓魔師たちがほとんど駆逐・封印済。
・現在:稀に見かける。しかし当時の悪魔狩りの網に引っかからなかったような小物がほとんど。夢魔もその一種。
・職種:(狩り漏らした小物の)悪魔の討伐は、通常祓魔師が請け負う(例:ドニー)。しかし特定条件を満たして申請などをしっかりこなせば、公認ギルド所属員が代理討伐することも可能(例:ギデオンとビビ)。
・悪魔の召喚や悪魔との取引は、法律で厳に禁止されている。それらの行為に加担した人間の逮捕は、魔法省が請け負う(例:ニール)。
● 夢魔の扱い(下地)
・処遇:一度夢魔と交わった人間、特に男性は、同じような麻薬じみた快楽を追い求めて犯罪に走ることが多い。つまるところ、夢魔は生きた麻薬のようなものであるため、規制・討伐対象にあたる。
・実態:ただし夢魔はその特質から、禁制に反して歓迎される(例:アーロンとヘレナが出会った亜人御用達の酒場)、政治家がこっそり囲う、犯罪組織に飼育されるなど、水面下では無法状態気味。
・法律:悪魔としては弱いが、その分人間に近い感性を持つ存在であることから、一種の司法取引がたびたび実現可能。
・司法取引のブラックな実態:上記の司法取引において、「祓魔師の拘束下で更生不能の性犯罪者にあてがう(消滅という死刑を科さない)」代わりに「これまで自分が契約した人間や他の悪魔、もしくは悪魔界の情報を明かす」といった条件を用いることが多い。清濁併せ呑む方法であるため、もちろん公には明かされない。
● ニールの関わり方(メイン)
・「カレトヴルッフの冒険者がある事件群について調査している。どうやら夢魔の仕業らしい」という情報が、憲兵団から魔法省へと伝わる。
・夢魔の起こした事件としてはこれまでの傾向と異なるため、魔法省は調査官としてニールを派遣。
・犯行の手広さ、関係した人間の多さを鑑みて、「消滅ではなく、生きたままの拘束にしてほしい」とカレトヴルッフに依頼。目的は夢魔との司法取引。
・ニールの仕事は、ビビたちへの依頼、進捗確認、最後に今回の夢魔の身柄の引き取りで完結となる。
凝り性ゆえバックグラウンドがややこしくなりました、すみません……!
せっかくの魔法省官僚ですので、(ニール本人は不本意だろうとはいえ)上位組織の権力が影響してくる形を想像させていただきました。
またこの案の場合、
【1】件のインキュバスをギデオン・ビビ・他協力者で拘束後、魔法省に引き渡し(主人公主体のバトルあり。シルクタウンやグランポートと同じく、ふたりで解決の華を飾る王道の展開へ)
【2】魔法省の指示により、件のインキュバスを祓魔師主導で拘束後、魔法省に引き渡し(主人公たちは初動捜査の立役者として参加、サポート側へ。バトルは軽め、バランスの取れた展開へ)
【3】魔法省の指示により、件のインキュバスは祓魔師協会と魔法省が完全に引き継ぎ(バトルはなし。魔法省に手柄を渡す代わりにふたりのドラマを重視、美味しいシーンにいちばん早く辿り着く展開へ)
といった3ルートが取れるかと思います。
それぞれ様々なメリット・デメリットがありますが、主様にとっていちばん快適なルートは見つかりますでしょうか……?)
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