匿名さん 2022-05-28 14:28:01 |
通報 |
(小さな嵐のような夜も過ぎ去り、どうにか迎えたあくる朝。相手は具合が悪そうにはしつつも、無事平時の自分を取り戻したようで。二日酔い常習者であるレオンツィオの行きつけの薬局をあとで紹介してやろうか、などと考えつつ、真剣な謝罪の言葉には気にするなと手の仕草で示し、続く恥ずかしげな声にも、片眉を上げて反応するのみ。そうして昨夜の相手の妄言はさらっと水に流し、禍根を残さず万事解決──の、はずだった。乗り出した相手が力強く告げた言葉、その意味を三秒遅れて理解し、はたと顔を持ち上げるまでは。車窓に肘を置き突いていた頬杖をやめ、「……あ?」と相手の笑みを見下ろす。「待つって、おい。昨日の晩のあれは……あれだろ。酔ったその場の勢いってやつじゃ……」困惑を隠さぬ顔で、思えばそうだったかも、なんて答えを求むように片手を傍に広げて見せ。)
トピック検索 |