匿名さん 2022-05-28 14:28:01 |
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(元気いっぱいの挨拶と、隙あらばギデオンを誘惑しようと言わんばかりのあざとい仕草。それはまさしくいつもどおりの相棒の姿で、トレードマークのポニーテールやスキニーなヒーラー衣装さえ、深い安心感を誘う。昨夜の華やかなドレス姿には本気で心を奪われたが、見慣れたいつもの装いも、同じくらいに好ましいのだ。そうしてまたもギルドの面前で相好を淡く崩しつつ、相手と自然に並んで歩き。向かう先はギルドのエントランス、特に言葉を交わさずとも息が合うようになっていた。)
爺さんに診てもらったからな、今はすっかり何ともない。
……夜中の差し入れを最後にずっと食べてないから、正直今すぐにでも何か腹に詰めたいところだ。
時間が時間だし、“隣”で食べるのでも構わないか。
(候補に出したその食堂は、カレトヴルッフの冒険者にとって馴染みの深い食堂であり──ある意味代わり映えのない店。二十五年もここに勤めるギデオンにとっては流石に飽きが来てしまい、足が遠のいていたのだが。捜査の合間にヴィヴィアンと通うようになってからは、不思議とそんなことも忘れるほど、定番メニューの秘める魅力を次々再発見する日々だ。ヴィヴィアンと食べる料理はいつも不思議と新鮮で美味しいのだが、何かそういう加護でも与えられているのだろうか、とまじめに考えるほどである。そんな相棒からの誘い、さらに元々胃袋が素直な性格とあれば、仮眠だけでは寝不足のはずのギデオンの顔色がすぐに良くなるのも当然で。相手の愛らしい仕草に小さく苦笑しつつ、いざ隣の食堂の木製扉を押し開けて彼女を先に通すと、やってきた馴染みの店員に「2名だ」と軽く伝える。店員は心得たもので、“いつもの”ボックス席に2人を通し、熱い手拭いとエール、果実水を持ってきてくれた。メインの注文はいつも確認してくれるが、前菜の揚げたポテトは間もなくやってくるだろう。しっかり鞣された革のソファーに腰を落ち着けると、エールで喉を潤してから、寛いだ声音で問いかけて。)
相談ってのは、昨日の件で合ってるよな。
俺の寝てる間に、何か見つけてくれた感じか……?
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