匿名さん 2022-05-28 14:28:01 |
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( ビビなりに自分たち二人が近づいて、おまじないの噂などを聞いても違和感の無さそうな、そしてできるだけ大人数から話を聞けそうな席を選んだつもりだが、冷静に首肯するギデオンの様子を窺う限り、この判断は間違っていなかったようだ。内心ほっとしながらテーブルの方へ一歩踏み出すと、不意に顔を近づけられて先程のやり取りを思い出し、膝から力が抜け落ちそうになる。──えっ嘘!こんなところで!? 思わず閉じた瞼と、絡めた腕にぎゅっと力を込めれば、遅まきに耳許を擽る低音の意味を理解して、己の勘違いによるあまりの羞恥に、顔から火が出るような思いがした。一体いつの話をしてるんだとか、こんな仕事中にだとか、言いたいことは沢山あるものの、いつも通り両手を握って抗議しかけたところで、潜入捜査中であることを思い出し、貴族令嬢が怒りのままに跳ね返るものなのかをはかりかねると、うなじまで真っ赤に染めたまま、行き場の無くなった左手で口元を隠す。そのまましおらしく縮こまれば、潤んだ目でギデオンを見あげて、か細く抗議するのが精一杯だった。 )
は、はずかしい……から、揶揄わないでください……
( ──そんな、しおらしく頬を染めていた健気さはどこへやら。テーブルにつき、水色のシャンパンを受け取る頃には、しっかりと貴族令嬢然とした微笑を浮かべて。それどころか、そっとその頬に片手を当てると、人混みにのぼせてしまって……と、儚げに溜息を漏らして、話題の中心に滑り込む強かな求心力は、冒険者云々と言うよりは、天性のものと言わざるを得ない。ご令嬢といっても皆、半分庶民のような……良くて男爵令嬢、中にはそれこそ、望まぬ相手に金で娶られた者もいるだろう。控えめに零されたリリーの溜息は、一度でも社交界で、心細い思いをした経験のある、彼女達の庇護欲を、大いに掻き立てたらしい。あっという間に同年代のご令嬢達に囲まれて、近いうちキングストンに転居する予定を口にすると、それを聞いていた令嬢のうちの一人から二人へ、「キングストンにはもしかして……」──結婚を機に移住されるの?といった趣旨の、期待の籠った視線が向けられる。その問いを受けて小さく頬を染めると、助けを求めるような視線でグレゴリーを見上げ、その腕を緩く引く姿は、傍から見ればいじらしく恥じらう新妻のようだが、隣にいるギデオンからは、その大きな緑色の瞳が、自分たちが結婚を控えた婚約者である旨を、大好きな相手の口から聞く役得を楽しんでやろうと、懲りずに挑戦的に光るのがよく見えるはずで。 )
……ねえ、グレゴリーさん、
( / いつも細やかなお気遣いありがとうございます。こちらこそいつも背後様の更新を、日々心待ちに過ごしております。
背後様におかれましても、寒暖差の激しい季節ですがお体にお気を付けてお過ごしください。
どうぞよろしくお願い致します。
重ね重ね失礼します。
昨晩の投稿ですが、何故か推敲以前のものを提出しておりました……。
言い回しなどをいくつか変更したのみで、展開は全く変わらないのですが、添付し忘れました背後返事と共に、上げさせていただきます。
大変失礼致しました。/蹴り可 )
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