匿名さん 2022-05-28 14:28:01 |
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( 生意気な態度をとるビビに対しても、どこまでも大人な気遣いをしてくれるギデオンを見るに、相手の顔に一瞬、なんとも言えない複雑な色が見えたような気がしたのは気のせいだったらしい。いくら正規の依頼中では無いとはいえ、今晩の自分は気持ちを掻き回されすぎではなかろうか。勝手に期待したくせに落ち込んでいる己を自覚すれば、反省の気持ちとともに小さく息をつき、端的なお礼とともに頭を下げると、そのまま前に向きなおれば丁度その分厚い扉が見えてくる頃だった。)
、ッ──……ひ、非現実的な話ですね。亡くなった人間が生きている人間をどうこうできるなんて絶対な……そうそう何度もありませんよ。
どうせ何か都合の悪い物でも見て口封じでもされたんです。絶対そう!
( そうして踏み入れた豪奢な館は、ビビの想像する"娼館"とは一線を画すものだった。メイドの後ろを静かについて歩く間、ついその緑の瞳を好奇心にあちこち彷徨わせていると、徐ろにかけられた低い囁きに思わず息を飲んで、小さく肩を縮こまらせる。先程気持ちを切り替えようとしたばかりだと言うのに、一気に主張し始める心臓を抑えれば、けれども今のはビビだけのせいではないはずだと、誰に向けたものか分からない主張が心中に湧き上がる。羞恥心やら状況が許すなら、相手に対し如何に己が格好良くて、ビビの心臓に負担をかけているかを膝詰めで説教してやりたい気分になりつつも、素直に上半身ごと相手の方へ桜色に染った耳を貸したのは間違いだった。ギデオンの裏話にふんふんと頷くことが出来たのは最初だけ、すぐに好奇心による目の輝きも、頬の色もみるみる失われ、終いにはキュッと口を閉じたまま、下唇を噛んだ微妙な表情を披露する。──ありがちな怪談よね。と、内心やれやれと倒していた上半身を元に戻せば、その馬鹿馬鹿しい与太話を何気なく笑い飛ばす──少なくとも、本人はそうしたつもりだった。確かに倒されていた上半身は縦になっているが、その分足元までぴったりとギデオンの脇に近づいているし、2回ほど何も下げていない腰の脇を弄った右手は、爪の先が白くなるほどきつく自分の左肘を掴んで、心臓は一瞬前とは違った意味で主張を繰り返している。そもそも、ただの雑談をここまで強く否定する時点で不自然極まりないわけだが、グランポートの一件で完全に否定できなくなってしまった天敵の存在を依然認めるつもりはないようで。角を曲がった瞬間、「ア゜ッ」とごくごく小さく奇声をあげたのも、急に現れた一際立派な貴族らしい女性の肖像に驚いたわけでも無ければ、未だしばらく続くらしい迷宮の様な廊下が急に薄気味悪くなったりもしていない。したがって、どこか毛を逆立てた野生動物のような装いで不自然に言い募る言葉も、勿論強がりではなくただの感想だと主張する構えで。 )
ふ、ふふ……なによ、ただの絵じゃない……これがその女主人公だったりして──
( / 今後の展開についてご連絡ありがとうございます。それではアメリアについては、実際の被害者の描写をメインとして新しい情報はあまり出さない方向で、サクッと進める方向で参りましょう。今回でアメリアの描写まで行きたかったのですが、ビビのホラー耐性について折角拾っていただいたので以上の形となりました。次回、背後様の方でアメリアの描写をしていただいても、その前で切っていただいてもどちらでも結構です。
設定置場についてのご理解もありがとうございます。
この提案をさせていただいた時点で、完全にこのサイト内の個人用・練習用のカテゴリを想定しておりましたので、他のテキストサービスを利用するという発想は目から鱗でした。此方でも規約やマナーを確認してまいりましたが、セイチャットでの交流ありきかつ、出会い目的では無いのでセーフ……だと当方も解釈いたしました。
仰る通りセイチャットですと、後からの編集が難しいので、背後様にご提案いただいた方法に賛成です。現時点で背後様の方では、どのサービスをご利用されるご高察でしょうか。
バルガスとリズについても拾っていただいて非常に嬉しいです。毎回本編に必要ない脇道も丁寧に拾っていただき、大変感謝しております。
テンションの差が非常に激しい幼馴染ですが、小さな頃からリズが辛い時はバルガスが無意識に助けているというイメージで、リズの長い長い片想い。それ故にビビと仲良くなるのが遅かったという裏設定がございました。設定置き場が出来た暁には、そちらももう少し掘り下げられれば、と同時に、背後様のご負担でなければホセ様や、いつもビビを可愛がってくださるスヴェトラーナ様のお話も聞けたらと考えております。 )
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