匿名さん 2022-05-28 14:28:01 |
通報 |
( 得てして女同士でのこういった話は下世話になりがちで、実戦経験のないビビでも何とか話についていける程度には、学生時代や冒険者になってからも見た目だけは美しい悪友達に鍛えられている。時に「実用って……?」と頬を染めたり、露骨な話題にはきゃあっと笑い声まじりの悲鳴をあげたり、ギデオンの制止に上手く被らせる形で「それでそれで?」と楽しげに目を輝かせたりと、適度な相槌で話を盛り上げながらも、あっさりと此方の生い立ちを見抜き、それはそれは膨大なギデオンの若気の至りを、筋道立てて面白おかしく説明してくれる話の巧みさに、頭のいい人だなあとギデオンとは真逆の素直な尊敬を抱く。それこそ先程フィオリーナとの逢瀬を垣間見てしまった際の様に、それがごく最近、特に夏以降の話であれば衝撃と共に悲しみも感じようものの、アイリーンの話してくれたそれはどれも数年以上前のもので、どちらかと言えば面白くない気持ちより、ギデオンが絶対に見せてくれない一面を知ることができた嬉しさが勝る。特にまだ10代や20代の頃の話になれば、どんなに格好よく可愛かったのだろうと、まだまだ色々勢い余っていた頃の相手を微笑ましく想像したりして。一通り聞きたかったことを聞いて満足したところで、丁度物理的な制止に入ったギデオンに、次は自分の番かと首を竦めて待つも、アイリーンには与えられた気軽な触れ合いが自分には与えられないことに静かな不満が胸に溜まる。優しいアイリーンはビビのことをギデオンの好みドンピシャだと言ってくれたが、こんなに美しくて頭のいい人と比べられればそれは勝ち目がないだろう。とはいえ相棒の仕事を促す懇願も最もで、えへ、とあざとく眉を下げれば素直に謝罪して。それからカウンターの向こうに向き直り、いつもの爽やかな笑顔で自己紹介したところで、一瞬手を口元に考え込み悪戯っぽく笑ったかと思えば、ギデオンの制裁を期待して、先程の体勢に戻るように逞しい腕をとって。 )
ごめんなさい。だってギデオンさんあまり自分のこと教えてくださらないから。
──アイリーンさん、楽しいお話ありがとうございました。私はギデオンさんと同じギルドの冒険者でヴィヴィアン・パチオと申します。
今日は流行ってる"おまじない"についてなにかご存知かお聞きしたくて……先程、関係って仰ってましたよね。私の片思いなんです、
トピック検索 |