匿名さん 2022-05-28 14:28:01 |
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( ギデオンと自分、それぞれのできることを考慮して、それを今のビビの中で最大限活かせる作戦を立てられたと自分でも思っている。しかし、結果として一番危険な役を押し付けてしまった相手から、比較的安全な場所にいる自分を気遣うような声をかけられてしまえば「かっこいいなあ、」と、悔しさを滲ませた呟きを口の中で漏らして、自らも前を向き杖を構え直し。 )
行きます……!!そこっ!!
( 最初の1発は魔物に切りかかる男の背後、魔物の視線上で不意打ちの照明弾を炸裂させると、それ以降はギデオンの指示通り、逃げ出す連中の足止めと霧の意地に専念する。そうしているうちに みるみると魔物達は倒れて行き、作戦通り1体のワーウルフが脚を引きずり逃げ出して。残り数体をビビが引き受け、ギデオンが其奴のあとを追う……作戦のはずが、作戦では街の外に逃げていくはずだったワーウルフが、休耕中の畑の方へ逃げていくではないか。道理であまりに襲撃が重なるはずだ、こんなに近くに巣穴があれば当然だろう。そこには襲撃の重なる街中よりも、何も無い畑の方が安全だろうと避難している人達がいたはずだ。この距離であればギデオンよりビビが追った方が近い──そう思った時には、既に体は走り出していた。負傷しているとはいえ元々身体能力の高いワーウルフが相手、やっと追いつけそうになった頃には既に畑は目前で。悲鳴に反応して丸腰の市民達に向かっていくワーウルフに、背後から攻撃すれば市民達にも当たってしまう、かといって回り込んで魔法を打つ時間はもうない──咄嗟に市民達を庇おうとワーウルフの間に飛び込んだビビの酸素の回っていない脳内からは、既にギデオンのことは抜け落ちていて。 )
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