匿名さん 2022-05-28 14:28:01 |
通報 |
……先に選ばれたから負けたって文句はなしですからね!
( エヴァンズ氏やマーゴさんに知られれば、また碌でもないことにばかり真剣になってと眉を顰めるだろう。こんなところで野次馬をしている時でさえ、ターゲットであるビビに一切気取らせない尾行は、流石一流冒険者と言うべきか。チラホラと見知った顔がいることや彼らの杞憂にも気づかぬまま、ギデオンの余裕綽々といった態度にぴくりと左の睫毛を震わせれば、それでも当たり前のようにギデオンの隣、その片腕の内にすとんと腰を下ろす。マリアさんによれば、女との賭けにはめっぽう弱いらしいとはいえ、己の恋心を賭けた勝負。受け取ったビラに真剣な視線を向けるも、社交ダンスの類であれば多少の覚えはあるが、ジャンルも何もかも雑多なこのコンクールでは役に立たなさそう。であれば、一番審査タイムに近い最後の一組に賭けるのが定石だが、それではあまりに色気がなかろうか──さて、慢心のギデオンは兎も角、当人さえ忘れかけているが、回復魔法の相性など、本来は天文学的確率の一致を、それも意中の相手とそうなっているビビである。恋する女の子は無敵を地で行くタイプである彼女と、ギデオンの悪運にかかれば、建国祭の前の週にビビが受けた依頼にて。この先キングストンをはじめ、各地のダンスコンクールや賞を総なめにする、未来の大スターの乗った馬車を泥濘から救出していたなんて奇跡が起こりうるのである。勿論そんなことは露も知らずに「ル・ルーとレオン……?」なんて、これで祭りに間に合います!と、泥だらけのビビの手を握ってお礼をしてくれた男女の名を思わぬ場所で見た驚きに目を見開けば、これもまた運命だろうと腹を決め。クールな表情でギデオンにビラを返しながら向き直り。 )
私は7番にします。ギデオンさんもどうぞ?
トピック検索 |