筆者 2022-05-22 20:58:31 |
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( 一足先に自室へと戻っていると、少しばかり執筆を進めて、だが、またすぐに行き詰まって頭をかく。
椅子の背に後頭部を預けながら天井を仰いでいると、外からノックの音が聞こえてきて、返事を一つ。
重い腰を上げれば扉を開けて、風呂上がりらしい相手を中へと促した。
比較的他の書斎や倉庫よりは片付いているものの、やはりデスクの周辺は自分の疲弊さが現れているようにも見える。しかし、何も自室の掃除を任せるために呼んだ訳では無い。)
……すまない。キミがあまり本を読まないのは承知の上なのだが、今回の主人公はキミに似ているからな、どうしても、意見を聞いてみたくて。
( 普段書いているものとは少し思考を変え、ターゲットを学生に絞ったものを書いているのだが、幾分、今の若者の感性や表現はわかったものでは無いし、登場人物が自分に似ているのであれば己の感性のままで良いはずだが、今回はそうはいかない。
明るく活発で、好きな人を一途に守ろうとする、そんな主人公にしたものだから、これは彼から助言を貰うのが1番だろうと考えたようだ。
早速パソコンの画面を相手に向ければ、ここだ、と指を指す。好きな人が目の前で悲しんでいるという、主人公にとっては辛い一場面。)
……もし、キミなら、悲しんでいる想い人を前に何を想う?
( 我ながら唐突で、難しいことを言っているのは分かるのだが、何かヒントを得れば筆が進む気がして、相手の顔をじっと見つめれば返答を待って )
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