匿名さん 2022-05-05 14:12:04 |
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( 日が傾き始めるまで、ゲームをしたり話をしたり、何気無い事で時間は過ぎていく。そんな中で、何処か胸の奥では罪悪感と自分に対する嫌悪感がふつふつと積もるばかり。
ふと、窓の外と時計に目をやると、そろそろ部屋に戻らねばと思考していたその時、相手からスペアキーを手渡されれば、温かな笑顔に胸が締め付けられる。 )
…ありがとう、郁海。
( 無くさないようにする、なんて付け加えつつ、鍵をぎゅっと握れば思わず相手の髪に触れて照れたように微笑んだ。
そして立ち上がると、自分の服などの荷物を手に玄関へ。「楽しかったよ。」と礼混じりに告げれば、優しく細めた目で相手を見つめた。
自分の部屋はたった壁1枚挟んだだけなのに、その見えない距離は計り知れない。この扉を開けて外へ出れば、いよいよ自分の棲む“現実”に戻ってしまう。
そんな後ろ髪を引かれる思いで、玄関から去っていった。)
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