匿名さん 2022-05-05 14:12:04 |
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確信はなかったけど、すれ違った時に俺と同じシャンプーの香りがしたから。それがなかったらきっと気付けなかったかもな。
(無言でそのまま奥の部屋へと進み、何かの弾みで部屋に灯が点る。ただひたすら前を向き続け、服を脱ぐ姿を見守って。この状況から不謹慎だが鍛え上げられた美しい肉体が露になると釘付けになり、己には白い肌に刻まれた全ての傷痕も美しく見える。左腕に新たな傷痕が生まれるとゾクリ、高揚感から僅かに身体が震えた。
相手が椅子へ腰掛けるまで見届けてからゆっくりと近づき、座っている相手の目の前まで移動。まるで童話の中の王子様がお姫様の前で跪くように屈んだなら左手に触れて優しく掴み、そのまま手の甲へ唇を押し付ける。
顔を上げてからはしっかりと相手の瞳を捉えて気持ちを伝え、痛まないように優しい力で腕を引き寄せた。滲み出て滴り落ちる紅を躊躇いなく生温かい舌でねっとり舐め取ったり、態と音を響かせ啜る。新しい傷痕をうっとりとした恍惚な表情で見詰めるその姿はどこか異質にも見え、ひとによっては異常とも捉えられるだろう)
……勇人。気にならないと言ったら嘘になるが俺から何か聞いたりしないから、安心してほしい。ずっとひとりで抱えて頑張ってきて辛かった、という言葉は正しいかわからないが、俺に傷跡を見せてくれてありがとう。
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