匿名さん 2022-05-05 14:12:04 |
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( 早足を緩めちらりと後方を見やれば、冷たくなった標的に手を合わせる相手の姿。嗚呼そうか、本来なら亡くなった人を前に手を合わせるのか、とぼんやり考える。そして、自分はそんな事すら麻痺してしまっているのかと思い知らされた。
言葉を発することのないままアパートへと戻ってくれば、こんな形で相手を部屋に上げたくはなかったと思いつつもこのまま別れるのもいけない気がして、暗い部屋の玄関の戸を開いた。)
………どうして、いたの。あの場所に。
( 部屋の電気も付けぬまま玄関の戸を閉めれば、それと同時にゆっくりと口を開いた。
決して近所ではないあの場所に偶然彼も居たのだろうか。それにしても、あんな路地で出会う偶然なんてあるのだろうか。
…まぁ、正直にいえばあの場所にいた理由なんて対した問題ではなく、1番問題なのは自身の仕事を見られた事だ。 )
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