魔女と巨人の物語(ファンタジー)

あいっ！！・・・びりり？
(絵を褒められて笑顔なエトワールだったがコスモスの命令でハクの背中に手紙を持って乗り出すデイジーを見て［それじゃあ御主人様、行ってくるわね］とデイジーとハクが出発しそうになると「びりり！！えととも！！」とふよふよと浮いて勝手にハクの背中に乗ってしまえばハクはそれに気が付かずに【よぉし！！出発進行！！】とデイジーとエトワールを乗せてハクはカザンバイに向かって飛びだってしまって)

え、あ…ちょっ、エトワール!
ハクー!!駄目ね、聞こえてないわ。どうしましょう…魔法で浮いていくにも速度がハクに劣ってどの道追いつけないし、途中で魔力切れになるかもだし……。
(自分のお願いに快く承諾してくれたハクがデイジーを乗せて、さぁという時に見送ろうと思って目を離していたエトワールがふよふよ浮いてハクの背中に乗れば、まさかと思いギョッとした表情を浮かべハクに待ってと声をかけるのも遅く、飛んで行ってしまったハクを思わぬ不本意になる思いで見送る形になれば、エトワールに何かあったらとオロオロし、風の靴等で空を飛ぶ方法はあるが速度はハクの方が断然早いし、何より魔力切れになった場合落ちる可能性として海かマグマのどちらかという絶望的な状態になりかねないと考えれば、どうしようどうしようと落ち着かない様子で辺りをウロウロ歩き回って考えを巡らせているが名案は浮かばず)

『主人よ、我の背中に乗れ、進化した我なら本気を出せばハクに追いつくだろう』
(オルレアが狼の姿になりコスモスを急いで背中に乗せると「コスモス、エトワールちゃんと無事に帰っておいで」とティアがコスモスを乗せたオルレアを掴むと大きく振りかぶってハクの飛んでいった方角へ投げ飛ばすとオルレアはその勢いのまま天を駆けだしハクの後を追えば「御主人様、お気をつけてー！！」とスーちゃんは飛ばされたコスモスを見ては尻尾を振って見送るとそれから暫くオルレアはカザンバイに向けて空を走るものの中々ハクに追いつかずカイヨウ国を過ぎた辺りで急停止すると『何だ？嵐か？凄い雷の音だな』とカザンバイ方面に激しい雷雨の中で前方にハクの姿を見つけたものの様子がおかしく【ど、どうしよう？】［はわわわ、どうするもこうも海の中を探すしかないでしょ！？］とハクとデイジーの姿はあれどエトワールの姿は何処にも見当たらなくて)

居たわ!
ハク、デイジー!無事ね!?エトワールは!?
(オルレアが空をかけてしばらく走ってくれていれば、カイヨウ国を過ぎてもう少しでカザンバイって所から突然天候が悪く、嵐なのか雨脚と風が強い中落ちないようにオルレアにしっかり捕まって雨の中見にくくはあるが周囲を見渡していれば聞きなれた声が聞こえ、そちらへとオルレアに指示を出し、ハクとデイジーの姿を見つければ2人が無事だった事には胸を撫で下ろしたが、勝手について行ってしまい、ここに来た理由であるエトワールの姿が無いことに気付くと、顔色を青くさせてエトワールは?と2人に問いかけ、もしかして落ちたとかと最悪の状況が次々に脳内をよぎり、不安でいっぱいになりながら2人の答えを待って)

［あ、御主人様！！海まで来たら赤ちゃんが一緒に乗ってることに気が付いて、さっき海神様と獣神様がなんか喧嘩？してたのかこの嵐もそれが原因みたいで引き返そうとしたんだけど赤ちゃん、急に消えたと思ったら海神様の口の中に入っちゃった］
(デイジーはコスモスに今起きたありのままの事を説明するとエトワールは空間転移して恐らくムラサメの腹の中だと伝えて【二人ともそのまま海の中へ潜っちゃった】とハクはムラサメとヨアケが海中へ潜ったと伝えて)

はっ?……えっ?
………起きた事は仕方ないわ、私が助けに行ってくるから、皆は安全な天候の場所で待機していて
(エトワールは空間魔法を使って自分からムラサメ様の腹の中にと経緯を聞けば、流石に一瞬呆けてしまったが、エトワールが書いた絵の1枚目はムラサメ様とヨアケが嵐の中での喧嘩と言う今の状態でしかない絵を書いており、2枚目の黒い人と青い人が財宝を見つけて喜ぶ絵と言う絵は恐らく自分とムラサメ様が何か財宝に匹敵する何かを見つけ、3枚目の海の中で星二つが仲良く遊んでる絵については分からないが、その絵の通りの事が起きるのだろうと何故か確信出来ており、とりあえず海に潜れるのは自分のみの為、危険は承知だが自分の周りに風の魔法の膜を作ると皆には天候の良い場所での待機を指示した後、早く助けなければと少し焦った表情で海へと落下し、着水寸前に重力魔法で落下速度を無くすとそのまま海へと沈み、ムラサメ様達の姿を探しながら、エトワールには未来予知のような能力があるのかもと考え事をしていて)

497・・498・・499・・500！！はぁ・・はぁ・・素振り500回おしまいなのだ！！
(コスモスが海の中を潜った位置はムラサメの住処である海底神殿に近い場所だったらしく、すぐそこに海底神殿が見えるとヨアケらしき赤い大きな生き物が海底神殿に入って行くのが見えると海底神殿の中庭では一人木刀を素振りしていた帰省中のワダツミだったが「ドンガラガッシャーン！！」と轟音の如く鳴き声と共にヨアケが帰宅してきた為「うむ、父上が帰ってきたな、稽古をつけてもらわねば！！」とワダツミは新しい父親となったヨアケに稽古を付けてもらう為に大波小波を手に持ちヨアケを出迎えに行って)

ワダツミ!
ムラサメ様はどこにいるか知らない!?
(海底神殿が近くにあれば、そこに行けば誰かしらムラサメ様の場所を知っている人がいるかもと思い、そこまで泳ぎ海底神殿の中へ入れば、海底神殿を覆う膜がある為空気を吸える事は以前来た事があるからわかっているので魔法を解き、誰かと周りを見渡していれば、ワダツミの姿をみつけ、先程ヨアケの鳴き声のようなものは聞こえたがムラサメ様の姿や泳いで来る姿はない為、ワダツミに声をかけて場所を知らないかと問いかけ)

おおっ！？姫様、久し振りじゃな、母上の居場所なら父上が知ってると思うぞ？
(突然、コスモスが来訪した事に驚きながらも慌てた様子でムラサメの場所へ尋ねてくる相手に自分は居場所は知らない為、先程まで一緒に行動していたヨアケの元へと連れて行くと「あぁ？おい坊主、その背後の女は何者じゃ？サルモドキにしては凄い魔力じゃけぇ、坊主の女だったらかなりの上玉じゃのぉ？」オールバックの赤髪長髪に浅黒い肌、サングラスの奥に見える鋭い眼光にガラガラと喉が鳴り響き、葉巻を咥え身体中が無数の傷だらけで赤いアロハシャツ、金ピカの装飾品、下駄とかなりガラの悪い見ための大男がワダツミとコスモスの前に立ち上がると「ひ、姫様は拙者の女ではない！！父上、姫様が父上に母上の居場所を聞きたいそうだ！！」とワダツミは顔を赤くしながら用件をヨアケに伝えると「・・・おい、坊主、おめぇも漢なら惚れた女は死ぬ気で守れぇ？分かったな？」とワダツミの頭をわしゃわしゃと撫でたあとで「おい女ぁ！！わしに向かって一番強い魔法を全力で撃ってこんかぁい！！話はそれからじゃあ！！わしゃあ強いと認めたもんしか相手にせんぞぉ！！」とコスモスに命令して)

えぇ!?今はそれどころじゃ……
あぁっ、もう!!認めたらきちんと教えてくださいね!!
(ワダツミとヨアケの会話はエトワールが心配過ぎてこちらの耳に入ってきても右から左へ流れていき記憶に残っておらず、突然ヨアケと思われる大柄で強面なおじさん?から己が1番と思っている魔法をぶつけて強いと思ったら教えるとの言葉に、エトワールは現在ムラサメ様の胃の中におり、ふよふよ浮くなりして胃液に触れて溶かされているなんて事は無いと思いたいが、それでも時は一刻を争う状態にも限らず、そう言って来られると少し苛立ち混じりに上記を言い、普段ならここまで感情的にならず冷静を装っているが自分でも相当焦っているのは自覚しており、ムラサメ様の場所を知る為にと何の遠慮もなく一応自分がまた海面に戻れる位の風の魔法が使える位の量の魔力を残しほとんどの魔力を込めて、以前ムラサメ様から授かった水の最大奥義をヨアケにぶつけは、流石にムラサメ様より威力は劣るもそれでも感情が魔力に左右されたのか、それとも魔力量が元々増えていたのか分からないがそれなりの高火力、高威力の魔法を放ち)

・・・ガラガラガラ、まぁ及第点じゃのう、ハニーなら海溝の辺りで今晩の飯を狩ってるぞ？
(コスモスによる最大魔法に対してヨアケは両腕を組んでノーガードで受け切ってしまえば高笑いしながらそれなりの評価をして「坊主、おめぇもこの女について案内してやんな、俺に魔法撃つために全力使っていざとなった時、護ってやれ」とヨアケはワダツミにコスモスの護衛と案内役をする様に伝えれば「姫様、急ぎなのだろう、ウズシオに乗ってすぐ行こうぞ！？」とワダツミの影からウズシオが現れればコスモスを乗せて海溝のムラサメの元へ急ぐと「あら？坊ちゃん、それに姫様、こんなところで何してますの？」とムラサメは本来の姿のまま首を傾げていて)

ムラサメ様、実は今ムラサメ様のお腹の中に私の娘が……あ、実子ではなく養子に近い子なんですが、その子が古代人の子供でして……そのせいか空間魔法を使ってムラサメ様のお腹の中に転移したと使い魔から聞いたので助けにと言いますか…。
(ワダツミの応援はとても有難くウズシオに乗ってしばらく走っていれば、ふと、2枚目に書いてあった黒い人と青い人は自分とワダツミなのではないかと脳裏を一瞬よぎったが、その時にムラサメ様と合流出来、どうしたのかと問われるとやや焦ったような表情といつもより少し早い口調で事の次第を説明し、どうにか胃から出したいのだがどうすれば良いかと困り顔で問いかけて)

よく分かりませんが・・・取り敢えず、坊ちゃんサザナミを出してくれませんか？
(コスモスの説明を聞いてムラサメは首を傾げながらそんな事もあるのですねと深くは考えずにワダツミに影からサザナミを出すと「サザナミ、やりたい事は分かりますね？」「ムラサメ様、オッケー、任せて」とムラサメの指示を聞いてサザナミは何故かコスモスとワダツミの身体に蜘蛛の糸で作ったロープで其々の腹部を縛ると「・・・それでは二人ともいってらっしゃいませ？」とムラサメは大きな口を開きコスモスとワダツミを飲み込んでしまえばムラサメの腹の中へと飲み込まれていって)

ん？……あ、ちょっ、心の準備が……っ!
(サザナミが出てきて自分とワダツミの腹部を糸で縛れば初めは不思議そうにその様子を見ていたが突然何をするのかわかったのかちょっと待ったと言いかけるもその時にはムラサメ様にパクリと口の中に入れられており、確かにエトワールを助けるにはこういう感じで自分をムラサメ様の中にと思っていたし覚悟はしていたが、やはり巨大な魚に大口を開けられて迫られるのはそこそこ怖かったらしく、少しだけ冷や汗をかいたが、とりあえずムラサメ様のお腹の中へ入ることが出来れば「エトワール?エトワールー?」と名前を呼びながらお腹の中をあまり刺激しないように動いてエトワールを探し)

わっはっはっは、なるほど、これは命綱か！！流石は母上なのだ、それにしても腹の中だというのにやけに明るいな？
(ワダツミはコスモスと共にムラサメの腹の中を散策しているとワダツミは異変に気がつくと恐らく腹の中が明るいのはエトワールが発光していると思われて「姫様！！見てくれ、宝箱なのだ！！母上、船ごと襲ってたらしいからその財宝が消化されずに残っておるのだな」とワダツミは宝箱を開き金銀財宝を見て驚くと「・・・姫様、恐らくだがこの腹の中、異空間になっておるぞ？」とワダツミはコスモスに伝えて)

明るいのは多分だけど、エトワールが光っているのよ。
………まさに金銀財宝の宝庫って感じね。
え、異空間って事は、空間が入り交じっていて探すのに手間取るって事?
(ムラサメ様の腹の中へたどり着けば、腹の糸が命綱だと言うことはわかっていた為その辺は安心していれば、腹の中なのに明るいという事はと上記を言うと腹の中にある宝箱にそれらは消化出来ないのかなと思っていれば、ワダツミから異空間だと聞けばエトワール探しは大変になるのかと顔色を悪くしてそう言い、それなら尚更早く見つけないとと焦りが顔に出ており)

姫様はまだナラクの横穴を通った事が無いから知らないと思うがナラクの横穴も異空間化されてて空間が歪んでいるのだ、簡単に言えばダンジョン化だな、母上も長生きしてるしこの巨体だ、腹の中が異空間化されていてもおかしくないのだ
(ワダツミは頷きながら大波小波を手に取り説明すると「そしてダンジョン化しているという事は本来の腹の中より広く大きい空間になっており魔物が出現するという事だな」とムラサメの胃液の中から魚の骨の魔物が二人に襲いかかってきてワダツミはそれらを斬り伏せると「しかし、腹の中という事もあり出てくる魔物はスケルトン系のアンデッドが多いようだな」と腹の奥からスケルトン、スカルフィッシュ、スカルワイバーンなどムラサメが過去に美味しく頂いたであろう魔物や人間の骨が動いて集団で襲いかかってきてはワダツミは楽しそうな顔で「わっはっはっは、ここのスケルトン達は母上の胃液で溶けなかっただけあって普通のスケルトンに比べて堅くて斬りがいがあるのだー！！」と次々と斬り伏せながら奥へ奥へと移動して)

……えっ?
胃よね、胃がダンジョン化する事があるの?
あれ、もしかしてティアの胃もなってるとか?
(まさかムラサメ様の中がナラクの横穴同様に所謂ダンジョン化しているだなんて思ってもおらず、思いもしない形で初のダンジョン攻略開始となれば、流石に戸惑いと疑問が隠せず?マークが頭の上で乱立しており。こちらは普通にエトワールを探して迎えに行くだけと思っていたせいで魔力の大半を先程ヨアケにぶつけた魔法に込めてしまったせいで魔力量がかなり少なく、回復するまで援助らしい援助も出来ないのが申し訳ないが、嬉々とした表情でスケルトン達を切り捨てていくワダツミに感謝と同時に支援は要らないかも…と思いながらワダツミの後ろを着いて歩きつつエトワールの名前を呼び続けて反応が無いかを確かめており)

巨人殿の腹の中に入ってみないと分からんが巨大な生物の腹の中がダンジョン化する事は稀にあるらしいのだ・・・ん？何やら音楽が聞こえてきたぞ？
(一通り、スケルトンを斬り伏せるとコスモスの質問に答えるワダツミは腹の奥の方から、アコーディオンやヴァイオリン、太鼓などの楽器の音が聞こえ始めれば「母上が昔やんちゃしてた時、母上を討伐しようと一隻の海賊船を丸飲みにしたと聞いたが、流石は異空間、海賊船まるごと残ってるとは思わなかったのだ」とボロボロになった海賊船が一隻胃液の上に浮いていると海賊船の甲板にてボロボロの海賊の格好をしていた人とは少し違う骨格のスケルトン達が楽器を弾いて楽しそうに騒いでる中心で「きゃっきゃっきゃっ！！」と発光したエトワールが笑顔で自分と同じ大きさの星を掴んでふよふよと浮きながら楽しそうにダンスしていて)

そ、そうなのね……今初めて知ったわ。
知ってたらもう少し考えて行動したのに…。
(巨大生物の胃がダンジョン化するのは稀とはいえあると聞けば、普通に考えてみれば胃がダンジョン化するなんて思ってないし、巨大生物がそもそも少ない為、まさかそんな稀な現象を今体験するだなんて思ってもないため、ティアの胃もどうなのか気にはなるが、これからはこういう事もあり得ると想定して動こうと心に決めるも、若干現実逃避をしているのかぼんやりと空中を見ながら上記を言い。音楽が聞こえてくれば、様々な楽器ではあるが一定の音楽にのっているのか、耳障りな不協和音といった印象は無いものの、とりあえず音がする方へ行けば、やっとエトワールを見つけるも周りになんか様子の違うスケルトンにエトワールの持っている星と言い、突っ込みたいことが沢山出てきては、まさかあの星はエトワールのように古代人が姿を変えたものじゃないわよね…?と少し希望が混じった願いを心の中で言いつつも「エトワール!迎えに来たわよ。帰りましょう?」とはしゃいでいる様子のエトワールに声をかけて)