主 2022-04-01 00:00:13 ID:0e3faf12e |
通報 |
(宵待区の荒野の端、錫雨区から続く廃墟群から少し離れるようにして、ぽつりと佇む崩れかけた廃アパート。その錆び付いた屋外階段を降りながら、ムクロは淀んだ鈍色の空を見上げた。分厚い雲の隙間から覗く月のように頼りない太陽は、既に少し傾きかけている。欠伸をひとつ零し、涙の滲む目尻を擦りながら軋む階段を降り切ったところで、ふと、十数メートル先に何やら見慣れない影があることに気が付き。目を凝らしてみれば、それはどうやら一人の人間のようで)
……配達の人? わたし、なんにも頼んでないんだけどなぁ。
(そもそも、こんなヨイマチの外れまで荷物を運ぶような物好きな配達屋が居るのか、などという疑問は寝起きで蕩けたムクロの頭には浮かばず。誰に聞かせるでもない独り言を呑気に呟きながら人影に近づけば、そこに居たのはうつ伏せに倒れた青年で。顔を見ようにも地面に伏していればそれも叶わず、少し迷った後、側にしゃがみ込み肩の辺りに腕を差し入れた。幸いにも細身であったその青年を、よいしょ、という間の抜けた掛け声と共にやや苦戦しつつも仰向けにひっくり返し、顔を覗き込む。意識の無い様子の青年の顔に見覚えは無かった。伝わる体温から察するに生きてはいるようだったが、その顔はどこか青白く。ムクロは徐に手を伸ばし──その頬を突いて)
ねえねえ、生きてるー? ……ここで死なないで欲しいなぁ。
(つんつんと、数度指の先を押し付けながらおざなりに声を掛け。しばらくこの荒野で倒れていたのだろう、指先に触れた頬は少しひんやりとしていて、思わず不謹慎なこともぼやき)
(/>>10 様宛ての導入文として、ムクロのレスを投稿いたします。やや確定気味のロルとなってしまいましたが、冒頭のみ「ムクロに頬を突かれて目が覚める」という描写から絡みを始めていただけると幸いです。改めまして、これからよろしくお願いいたします…!)
トピック検索 |