名無しさん 2022-03-13 11:19:12 |
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(異性が苦手なのもあって視線をさ迷わせる。暫くして椅子に腰掛け深呼吸する彼の姿を静かに見守る。落ち着いた頃合いを見計らい、距離を空けて彼女も静かに椅子へ腰掛ける。顔色はまだ悪そうに見えるが、呼吸は落ち着いたようで安堵する。
先程の彼の様子から自分に通ずるものがありそうだとひっそり感じ取ると、顔色から察して同様に彼も異性が苦手なのだろうか。そしたら尚更彼の近くに私がいてはならない。それは自身が一番理解しているではないか。こうしてはいられないと椅子から立ち上がろうとしたその時。近くから聞こえてきた彼の発言に驚きを隠せず。取り敢えず再び椅子へ腰を落ち着けると、戸惑いを含んだ目つきで見詰めながら「橋爪くんが平気なら、もう少しだけいるね」安心させるように優しい声音で。
自分だったらどうするか。苦手な異性からされて安心した事などない為、どうするか対処に迷い。こうやって一緒の空間にいるだけで迷惑にならないか。言葉を探して絞り出した答えは「……とても怖かったよね。詳しい事情は聞かないし、今日あった出来事も絶対に口外しないよ。」まるで自身へ向けたような発言で言い聞かせるように。腕時計で時間をさりげなく確認すると、昼休憩が終わりそうな時刻に差し掛かり。体調の悪い彼をこのまま放っておくことなど彼女にはできないのか、気遣いを忘れずに。何か思い出したのか制服のポケットから個包装の飴を取り出して)
こういう時は──…あ。橋爪くん、甘いもの平気? 今はミルクキャンディしかないけど、ストレスに甘いもの効くらしいから。
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