Tu me fais craquer 〆

俺も、嫌じゃないな。不思議だが。


…、もう昼休みも終わるし、もし鷲見が良ければ仕事が終わってからまた話さないか？

( ｢きれい｣だの、｢かっこいい｣だの、外見ばかりしか見ない周囲の人間と違って、同じ悩みを打ち明けたもの同士通じ合えると分かったようで、上記のように述べれば少し考え込む動作を見せる。自分もトラウマを克服しようと、精神科に務めている友人に相談したり、本を読んでいい方法はないか探してみたりと、努力はしてきたつもりだ。相手もきっと同じなのだろう。


正直、こんな偶然は二度とない。寧ろ運命と呼べるのかもしれないと思う。もしかしたら、彼女となら、この厄介な病も克服できるのでは、と考えた後で腕時計から昼休憩が終わる短いアラームが鳴り。話したい気持ちを正直に相手に伝えるも、男嫌いな相手にとってこの申し出は、嫌かもしれないと言ったあとで後悔する。なので｢無理はしなくていい。｣と告げて相手の反応を見る。 )




(/ すみません、返事遅くなりました。2.3日返事遅れることあるかもしれません。よろしくお願いします！)

橋爪くんが平気だったら喜んで！こういうデリケートな悩みは気軽に相談できないから、話せて嬉しかった。ありがとう！

(異性と話す機会は滅多にないので今回のお誘いはリハビリにもなる。笑顔で快諾すると相談に対し感謝を表して。午後の仕事も頑張る為に「じゃあ、仕事終わりによろしくお願いします！」会う約束を取り付けてから部署へと戻り。同じ悩みを抱えている彼の体調を気にしつつ仕事をこなし、退勤時間になると社員たちはぞろぞろと帰り支度を始める。彼女は時間を忘れるほど集中しているのか気付くことはなく指を動かし、パソコンの画面と向き合っており。)







忙しいのはお互い様ですのでお気になさらずに！退勤時間まで進めましたが今後の流れはどうしましょう。カフェか何処かで話し合う流れにしますか？それとも既に決まっていましたら合わせますので！

( 彼女と別れ仕事に向かってからというもの、体調もようやく元通りになり、いつも通り仕事を手際良くこなす。時折時計を見ては、早く退勤時間にならないだろうかと、この後の予定を楽しみにしているのだった。退勤時間ぴったりにデスクのパソコンの電源を落とせば、ふと相手の方を見る。まだパソコンに向かって作業をしている相手を見れば、集中していることは分かっているが、ある程度の距離を置いて相手に近付き。)

…まだ仕事あるのか？

(やっと作業が終わり電源を落としている時に話し掛けられ、そこで退勤時間が過ぎていることに気付く。素早く帰り支度始めると立ち上がり、椅子を戻してから近付いて。勿論、一定の距離をしっかり保ちつつ、先ずは「遅くなってごめんね。時間忘れて仕事に没頭していたみたいで。話し掛けてくれなかったら危なかったな。」謝罪から会話は始まって。隣に並ぶ彼女は雰囲気からでも浮き足立っているのが感じ取られ、口元綻ばせながら嬉しそうに会話は続けられて)

今日も一日お疲れ様でした。橋爪くんと仕事以外の話ができて、信頼されているのかなって思ったら同期として嬉しくなってね。自惚れだったら恥ずかしいけど…。

お疲れ様。
まぁ、少なくともこの会社の中では一番信頼してる。
…さっきも助けてもらったしな。さっきは本当にありがとう。

( 自分の横にある程度の距離を保って並ぶ相手を見て、｢信頼されている｣という言葉には、少なくともこの会社の中、そして自分の知り合いの女性の中では一番信頼はしている。彼女の真面目な仕事態度や、先程の話からも信頼たる人物であることは間違いない。
歩きながら会社を出れば、自分は電車通勤などは苦手なため車で会社に来ていることを伝える。しかし車に相手を乗せるとなると、相手が平気だろうかと反応を伺いながら、｢俺、車通勤だから、よかったら乗ってってくれ。嫌だったら鷲見に合わせるから、無理はするな。｣と伝え。)




(/ ごめんなさい！先程の返信に、お返事乗せていませんでした…。失礼致しました。このまま晃くん行きつけの、人があまりいないカフェに行こうと思います。)

やっぱり優しいね。私は触られなければ平気だから、橋爪くんが無理でなければお願いします。

(彼の口からはっきり“信頼している”と聞かされやっと安心できたのか柔らかな笑みとなり。外へと移動してから初めて彼が車通勤だと知れば、気遣う発言と共に頷いて肯定表し。仕事中もだが先程から相手を気遣う発言に彼はクールに見えるだけで、素顔は優しいのだと彼女は考えいる。しかし優しさに甘えると問題が一つ発生された。乗る時は助手席で平気だろうか。助手席だと距離が近くなる。女性不信の彼の近くに座ると心へ負荷がかかってしまうだろう。考え抜いて導き出されたのは直接彼に聞くという事で。)

あの、橋爪くん。私は助手席に座らない方がいいよね。私が近くにいたら運転に集中できないだろうし。






返事について忘れていた件は大丈夫ですよ！
行き先も把握しました。行き付けのカフェで色々話し合い、トラウマ克服＆リハビリと称して一緒に暮らすという結果となり。流れはこんな感じにしますか？

じゃあ後ろ乗ってくれるか？

( 駐車場に着くと、黒のセダン型の車の鍵を開ける。ふと相手からの申し出には暫く考えた後で、自分も相手も密室である車の中ではそのほうがいいかもしれないと考え伝える。

自分は運転席に乗り込むとエンジンをかけ、暖房を調節すれば｢寒かったら言ってくれ｣と後ろに座る相手に声を掛け。相手が乗ったことを確認すると、車を発進させ道路へ出る。暫く走ったところで、行き先を相手に告げていないことに気付き、今から自分のよく行くカフェへ向かうと説明をすれば。)

俺の行きつけのカフェがあるんだ。少し離れたとこにあって、裏通りの目立たない場所だから客も多くなくて、いいところだ。



(/ はい！それでいきましょう。晃の住むマンションに部屋が余っているということで、晃の方にきてもらう流れでいいですか？ )

(指定された後部席へ乗り込むと車は発進し。流れゆく景色を眺めながら安全運転に心地良さを感じていると、行き先を知らされて。まさかお気に入りの場所を教えてもらえるとは思わず驚きながら「隠れ家みたいで良い場所だね。そんな素敵な場所を私に教えてくれてありがとう！」嬉しそうに感謝の意を伝え。到着したら何を話そうかと気持ちをワクワクさせながら、運転席に座る彼の横顔をそっと眺め。今度は彼女の方からトラウマの、男性恐怖症になった経緯を語り始め)

私が男性恐怖症になったのはね、学生時代に何度かストーカー被害にあって。背後から急に襲われた事もあって……それで触られると酷い時は過呼吸起こしそうになったり。

此方もお返事を忘れるというミスを犯してしまい、すみませんでした。
一緒に住む理由や流れもそれでいきましょう。これからの展開に目が離せません！

なるほど。そりゃ、トラウマにもなるよな。
いろいろ苦労してきたんだな。

…俺は、小さい頃に知らない女に誘拐されたことがあって。3日くらい監禁された後、警察がきて解放されたんだけど。それから、家族以外の女に触れられるのがだめになった。症状は鷲見と同じだな。


( 安全運転を心がけながら、目的地まで車を走らせる中、相手からの話に耳を傾け時折ルームミラー越しに様子を伺う。世の中には本当にクズな奴らが多い、と相手の話を聴きながら思う。相手にトラウマについて話をさせて、自分はしないわけにいかないと自分も過去の忌々しい事件を振り返りながら話し。話し終えたところで目的地に着けば駐車を済ませ、相手に降りるよう声を掛ける。


裏通りにぽつんと佇んだ店は、昔ながらのレトロな雰囲気で、扉を開けると中には1組客がいるだけでがらんとしている。店員に、席まで案内してもらい2人がけの席につくと、メニューを机の上に開き。)

(トラウマが予想以上に壮絶すぎて聞かされてから暫く気持ちが落ち込み。気持ち切り替えては案内された席へ対面となるように着席し。店内見渡しながら落ち着くレトロな内観に少々はしゃいだり、また一つ秘密を共有できて嬉しいのか優しく微笑みかけては、トラウマ克服という未知の想像を始めて)

トラウマを克服できたらどうなるんだろう。……手を繋ぐ感覚とか、キスとか未知の領域で想像できないな。

( 自分の過去を打ち明けた後、どうにも重い雰囲気にさせてしまったことを申し訳なく思うが、店内に入ってからの相手の様子を見れば心配していたことも杞憂に終わり。喜んでもらえてよかったと思えば、メニュー見て、｢俺はコーヒーにする、鷲見は？｣と尋ねれば、元々今日のお礼も兼ねているので自分が全部払おうとしていることはあえて触れずいることにして。

暫くして出てきた相手の話には自分も頷き。考えを巡らせる。確かにそういった恋愛の類に憧れた時期もあった、今もしたくないと思っているわけではなく、やはり恐怖心が勝ってしまうのだ。この病を克服するに当たって1つ今日考えたことがある。これは相手にしか頼めないことだし、もしかしたら2人でトラウマを克服するチャンスになるかもしれない。そういう思いで、相手を見つめると、話の続きをしてもいいか相手に許可をとり。)

同じく。全く想像がつかないが…。
克服はしたいと思っている。

それで、今日一つ考えたことがあるんだ。もしかしたら、俺らのトラウマを克服するチャンスがあるかもしれない。…これは、鷲見にしか頼めないことなんだが、聞いてくれるか。

(年甲斐もなくはしゃいでしまった事を恥じていると注文を聞かれ、メニューの端から端まで見て決まると「えっと、私はカフェモカで。」飲み物だけで十分なのか控えめに。注文が決まるとゆっくりと彼の話を静かに最後まで聞いており、頼めないこと。正義感が強く頼まれると内容にもよるが、初めて頼ってくれたという事実に口角は緩み、真っ直ぐに見詰め返して)

トラウマを克服するチャンス……わかった。私でよければ快く協力するから、話を聞かせてください。

ありがとう。
…こういったトラウマを持った人には、ある程度強制的にその環境に身を置くことで少しずつ慣れさせていく、という方法がある。…詰まる話、俺と一緒に生活してみないか？

( 素直に自分の話を聞く姿勢を示してくれた相手には感謝の意を示し。少し前にトラウマを克服するための本に書かれてあった内容を思い出しながらその知識を話し終えたところで、自分と一緒に生活し、少しずつ異性に慣れていくという方法を提案する。勿論、突然のことなので、すぐにとは言わないつもりではある。今自分が住んでいるマンションは一人暮らしにしては広すぎて、部屋もいくつか余っているため、もし提案を飲んでもらえれば、喜んで部屋は提供しようと考える。

店員が運んできたコーヒーとカフェモカを一瞥すると。コーヒーを手に取り一口飲みながら、相手の反応を伺い。)

嫌だったら断ってくれて構わないし、今すぐ返事が欲しい訳でもないから。

克服したいなら時に荒療治が必要。こんな感じであってる？

(内容には驚かされるも不思議と一緒に暮らすのは嫌ではないと感じており「……私は嫌じゃないよ。家賃はきちんと支払うから請求してね？」共同生活について快く了承し。テーブルに運ばれたカップを持ちひと口啜るとソーサーへ置き。具体的な内容について気になったのか恐る恐る質問の後、仰々しく改まって挨拶し。)

橋爪くん。……キスまではいかなくても、手を繋いだりそういう訓練込みの生活になるということだよね？ 不束者ですが、これからよろしくお願いします！

あぁ、徐々にだが。慣れてきたら手くらい繋げるようになったらいいな…。

ありがとう。お互いに克服できるよう頑張ろう。

( 相手の言う内容には、一緒に生活する、ということ以外具体的なことは考えていなかったと思い。手くらい最終的に繋げたら克服したということと考えていいだろうかと思うも、今は全くそれが想像できず。かと言って相手とそうなることが嫌だという気持ちは微塵もなく。頑張って相手と克服できるよう、自分も頑張ろうと心に決め。)

引っ越すのはいつでもいいから。

(カフェモカを半分ほど飲んでから引越しについて考えて。家具や家電などは必要最低限しか置いていない為、すぐに引越し可能だと結論に至り。トラウマ克服は果てしない道程だと思いながらも、頑張って彼と手ぐらい繋げられたら良いなと期待感高まり。一緒に暮らすとなるとルールを決めておいた方がいいかもしれないと「あのね、橋爪くん。一緒に暮らし始めたらお互いにルールを決めておいた方がいいと思って。」さり気なく提案してみて)

例えば……入浴時間とか。時間決めておけば、鉢合わせしないで回避できると思うんだ。橋爪くんの方から他に何かあったら守るからさ、教えてね。

あぁ、そうだな。
風呂は時間を決めておこう。

他は…家事でも分担するか。

( 相手の提案には尤もだと頷き。マンションの脱衣所はもとから鍵もかかるようにはなっているが、決めておいた方が安心して入ることが出来るだろうと納得する。思いの外、真剣に考えてくれる相手には、嬉しい気持ちになりながら、2人で生活するにあたって、家事も決めておいた方がいいだろうと提案し。)

家事とかは橋爪くんの負担にならなければ当番制にする？ 平日は忙しかったら各々で食事して、休日はどちらかがつくったり。

(互いに住み良い生活にしたい為、真剣に考えて。提案が採用されて安心した直後に新しい提案を聞き、控えめに話すと軽く首を傾げ。家族以外の異性と生活を共にするのはやはり緊張するのか、気持ちを素直に話して)

多分橋爪くんも私とこれから二人で暮らすのは不安があるよね。一緒に暮らしてもプライベートに踏み込まないから、そこは安心して。

そうだな。
まあでも基本的には家で食べるようにしてるし、俺も時間があったら作るよ。

( 料理をするのは嫌いじゃなく、仕事が遅くなっても食べに出かけることはないので、自分が料理を作ろうと思うとそう言い。相手もほぼ知らない男と生活することに不安を感じているのだろう。その発言には少しだけ笑って、自分も相手のプライベートには干渉するつもりはないと伝える。自分はそこまで他人と出かけたりするほどアウトドアなタイプでもないため、そんなにプライベートなどという言葉もないのだがと苦笑する。しかし女性である相手は友人と出かけたりなど、そんなこともあるかもしれない。それは好きにして欲しいと思う。)

まあ、そこはお互い干渉しないということで。