とある星の子 2022-03-13 06:54:28 |
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えっ、本当…!?
(表情だけでは中々読めない感情が、揺らめく視線や少しばかり上擦った声、彼の言動一つ一つから伝わってくる様が微笑ましい。
そんな穏やかな気持ちになっていた中で、願ってもない申し出が彼の口から告げられれば、優しく握っていた手にはついつい力が入り、声も大きくなってしまった。誤魔化すよう小さく咳払いし何とか平然と振る舞おうとするものの、喜色は隠しきれず瞳は爛々と輝く。
自分が非力であることは他でもない自分が一番よく理解している。暗黒竜は勿論のこと、闇の生物による被害が増えている現状一人で動くのは危険とわかってはいるが、生まれ持った探究心はどうにも抑えられそうにない。そこで星守として活躍出来る程の実力の持ち主が行動を共にしてくれたのならどれだけ心強いだろう。
不意に机上へ手を伸ばすと彼らが来る前まで読んでいた本を取る。何やら何処かにある壁画の挿し絵が入ったページを開いて見せ、その絵を指差すとやや興奮気味で矢継ぎ早に言葉を紡いだ──…はいいが、はっと我に返る。熱が入って周りが見えなくなるのは悪い癖だ。本を閉じ両手で持ち直すと彼の反応を窺うよう小首を傾げて。)
実はわたし、精霊様が残した壁画や遺跡にも興味があるの。実際に見たからこそわかることもあるでしょ?それでね、捨て地でもどこでも一人で行けることは行けるけど、やっぱり力不足だなって思うことも多くて。
……あっ。ごめんなさい、つい…。興味がなかったら退屈よね。もし暇で暇で仕方ない時とか、興味がある場所があったりしたら一緒に来てくれると嬉しいな。
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