とある星の子 2022-03-13 06:54:28 |
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て、…天使?女神?ダーリン…?
(半ば強引に渡された白キャンドルを勢いのまま受け取ってしまったはいいが、そのまま妙な呼称だけを残して去ってしまった名前も知らない星の子に困惑の表情を浮かべる。対応が追いつかないまま暫しその背が消えていった方向を呆然と眺めていると、先程まで響いていた声とは正反対の落ち着いた声に意識が引き戻された。
褒める言葉は誰から向けられても嬉しいものだけれど、惜しげも無く浴びせられていた賛辞より、彼の言葉の方が素直に照れてしまうのは、恐らくそうお喋りな方ではない彼が態々口に出してくれたものだからだろうか。
謙遜といえば聞こえはいいが、折角の好意をあまり否定するのも悪いかも知れない。有難くそれは受け取ることにして、含羞から自然と薄ら頬が上気した。
しかし自分にとってはケイドや友人も携わる星守の活動の方が余程凄いものだ。ちら、と雀を一瞥する。あの子だって、彼に連れて来てもらえなければ助けることなど出来なかった。
再びこうして繋がった縁をここで逃してしまうのが何故だか惜しい。繋ぎ止めるよう、両手でそおっと控えめに彼の片手を取ると双眸を細めて。)
ありがとう。でもわたしの力が生かせるのは、ケイドみたいな星守がいるからだよ。自分じゃ救助は出来ないけど、あなた達が連れて来てくれるから助けられるの。感謝しないとね。
──…だから、困ったらまた来て。勿論、ケイド自身が怪我しちゃった時も。あ、怪我は極力しない方がいいんだけど!えぇと…そう、もしもの時。
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