とある星の子 2022-03-13 06:54:28 |
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わあ、っ…ふふ、すっごい乗り気。
(時に痛みを伴うこともある治療を嫌がられることはあれど、こうも積極的な態度を取られたのは初めてのこと。思わず吹き出すように笑みを零してしまうが、素直に応じてくれるのはこちらにとっても大変助かることだ。準備も万端にして座す彼らにはパッと見目立った傷はない、もしかしたら服の下に…なんて不安もすっかり消え去り、安心したようにほっと息を吐き出した。この程度なら以前自作した塗り薬程度で問題ないだろう。
何気なしに投げられた思いもよらない問い掛けに、ツンに薬を塗布していた指先に少々力が入ってしまった。患部を強めに擦られたことで短い悲鳴が聞こえ、慌てて軽い謝罪を。好奇心が他より少し強いだけで、自分は学者でも医者でも何でもないし、そうなりたいという崇高な目標を持っている訳でもない。
そう問われると本当の所を話すのが何だか気恥ずかしくて、眉を下げてへらり、情けない表情で笑った。なるべく刺激しないようそっと彼の傷口に薬を塗り込みながらバツが悪そうに微かに肩を竦めて)
その……あのね、魔法全般に興味があってやってるだけで、先生がいるとか、お手伝いさんが必要だとか、そんな大それたものじゃないの。独学だからよく失敗して友達に笑われちゃったりもするし。
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