とある星の子 2022-03-13 06:54:28 |
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ん、わかった。15分で戻る。
(最善の処置を必死に模索してか、張り詰めた表情を孕んでさ迷っていた彼女の瞳。しかしこちらと合うなりふっと緩み、安心したように微笑みながら明瞭な指示を出してくれた。
こちらもこくりと頷き、概算の所要時間を伝えて立ち上がる。
ツンに目をやれば、鬱陶しいが物分かりの良い男は、問いかけるまでもなくケープを羽織り直していた。
奴は多少焦げているだけで、ぴんぴんしてはいるのだ。キノコは少しでいいとユナは言ったが、道中役立ちそうなものを見つけた時、手が足りすぎていても困りはしないだろう。
ホームに戻る直前、白く降り注ぐ光越しにもう一度、眠る雀と傍らに屈むユナを見た。
◆*゚*゚**゚*゚*◆
意外にも最短の飛行距離を知り尽くしていたツンの先導により、所要時間を10分に巻いて帰還。
それぞれの背負う青鞄の中には、光のキノコの笠の部分、そして小型の光のクラゲの触手がおさまっている。
もう一度壁越しに声をかけ、石の扉が上がるなり部屋の中へ。鞄から数枚のキノコを取り出して手渡したのち、ツンのほうを軽く示しながら、奴の渡してきた触手の束を代わりにユナに差し出して。)
ユナ、待たせた。
採ってきたキノコがこれだ、それと……こいつ曰く、クラゲの触手包帯代わりに使う治療を見たことがあるそうだ。使えそうか?
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